名前を聞いた事はあっても読んだ事はなかったです
[読む自由 読まない自由 読まない方が幸せでは有るでしょうね]
[奇子(あやこ) 小学館 手塚治虫 全2巻]
1972年発売 ジャンル ヒューマンドラマ 参考600円
友達や知り合いに、おすすめのマンガを勧める時は
その人の性格を知らないと、結構大変なことになりますよね。
怖い事や怖い映画が嫌いな人に
「デビルマン」を猛烈におすすめして、トラウマにするのもあれですからね···。
(過去に何度か食らわせてしまいました)
そんな時に、オールマイティーに使えるカードが
マンガの神様こと[手塚治虫]作品ですよね。
仮に、友達からおすすめされて読んだマンガの印象が
とんでもなくトラウマを残すマンガだとしたら。
「なんであの人は、こんなに暗いマンガを進めたんだろう?」
「もう途中で読むのを止めて、ハンターハンターを読もう」と自然となります。
でもこれが、手塚治虫先生の作品ならば
「なんであの人は、こんなに暗いマンガを進めたんだろう?」
「でもマンガの神様の作品だしな···」
「私にはこのマンガは、まだ若干早すぎたなのかな···」
「もう少し大人になったら、絶対に理解する為に読むぞ!!」
「よし!ワンピースを全巻読み返そう」となります。
そんな今回の、偉大な手塚治虫作品の中でも、最上級のトラウマ製造漫画
奇子の感想です(*’▽’)
奇子とはどんな漫画?
この奇子ですが、1972年にビックコミックで連載されていた
手塚治虫原作のヒューマンドラマ作品でした。
このマンガのストーリーは
終戦直後のとある閉鎖的な村を舞台にした
出てくるキャラクターの90%が狂っているサスペンスマンガです。
ヒロインの奇子(あやこ)を
狂っている家族や、狂っている村の住人達から、
どうやって外の幸せな世界に救い出すのか···。
こんなストーリーでした。
このマンガの名前は、昔から聞いたことが有ったんです。
手塚治虫作品の中でも、珍しいタイプの作品で
賛否が真っ二つに分かれる作品でした。
めちゃくちゃ好きな人は、とことん好きです、
嫌いな人はとことん嫌い、こんな珍しい作品ですね。
「手塚治虫が大好きでも奇子は嫌い···」とかそういうタイプです。
私も、初めて奇子を読んだ時は、(中学3年生位)
もう最上級に気持ちが悪くなったのを覚えています。
それもそのはずで
連載雑誌がビックコミック(平均年齢20歳以上対象)でしたから
マンガの内容も最高にグロテスクで
手塚先生が好き勝手に書けた作品だった訳ですね(^◇^)
奇子の感想でもあり レビューでもあり
[何度でも読み返したくなる魅力がある]
この漫画ですが、かなりパンチ力のある作品でした。
主人公が原因で、悲劇に合ってしまった奇子を
どうやって幸せにするのか?
こんなストーリー展開なのですが
ヒロインであるはずの奇子が、全く幸せになることが出来ないので
読んでいるこちらとしても、かなりもやもやしていきます。
「こちらとしては、そろそろ幸せになっても良いんですけど?」
こんな展開が、結局は最後まで読んでしまったのかも知れません。
物語の展開としては
最上級に気持ちの悪いどろどろした、昼ドラ的なストーリーなのですが。
「奇子に幸せになって欲しい」と思う気持ちが
どんどんと次のページを読み進めたくなるので。
結局は最後まで一気に読んでしまった、とても不思議なマンガでした。
ただ、最後まで読んでも
なにかこうもやもやした気持ちが消えないんです。
普通のマンガならば、最後まで読めば
一応はスッキリするんですが。
この奇子に関して言えば、最高にもやもやした気持ちで終わります。
つまり、私のレベルでは未だに理解が出来ないんですよね。
数年経ってから
「今度こそはスッキリした気持ちで読み終えるぞ」と思っても
「今回もダメだったな、次こそは理解したいな…」となってしまいます。
そんな展開が、このマンガ最大の魅力だったのかも知れません。
ビールの美味しさを分からなかったのに
いつの間にか、大好きになっていた
あんな感覚を味わいたくて
奇子にチャレンジし続けるのかも知れませんね。
意味はまだ分からないのだけれども
理解できることを信じたい、魅力あふれる作品なのでした(/・ω・)/
奇子のまとめ
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何故読んで欲しいのか?
そんな意味不明なマンガである奇子を
私は良く人におすすめします。
読んだ感想を聞くと、それはもう散々な物ですが。
それでも良いんです。
いつか、「奇子って面白いよね」という、
同じ感覚の人達と出会う為の、リトマス試験紙みたいな物ですから。
なにがそんなに面白いのか?
漫画の神様が描く、最高に後味の悪いヒューマンドラマ
こんな贅沢な昼ドラをお楽しみください。
今急いで買う理由ってあるの?
手塚治虫のマンガなのに
好きか嫌いかで言えば、おそらく嫌いが多いであろう
かなり珍しい作品
いつの日か、奇子って最高の漫画だったよね なんて言いたいな
それこそが今急いで買う理由です!!
そんな今回の いつか このもやもやが消える日が来る事を信じて待っている
奇子の感想でした。