レトロゲームとマンガとももクロと

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月面のアヌビス ヒロインを好きになる、ヒロインを嫌いになる、そしてヒロインを好きになる

ヒロインを好きになる、ヒロインを嫌いになる、そしてヒロインを好きになる

 

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[宇宙が舞台の隠れた名作サウンドノベル]

[月面のアヌビス  イマジニア  スーパーファミコン]

1995年発売  ジャンル サウンドノベル  参考価格1980円

 

記事のネタバレ度  高め

攻略に必要なプレイ時間  20時間

このゲームに対する世間の評価  知名度は低いけど ゲームとしては優秀

どんな人におすすめ?  サウンドノベルが好きなら遊んでほしいな

バーチャルコンソールで配信無し

 

 

夜光虫の記事の時にも書きましたが

かまいたちの夜というサウンドノベルの王様を倒すために

数多くの作品が発売されました。

 

そんな沢山の作品があるはずなのに

記憶に残っているのは、かまいたちの夜だけ。

 

この結果が、すべてを物語っていると思います。

 

しかし、ここで終ってしまうのは

今の時代にレトロゲームを遊んでいるのに勿体ないですよね。

 

だったら、遡ってでも遊んだ方が良い作品を

この機会に遊びましょうよ。

 

 

そんな今回の、最近になるまで存在すら知らなかったマイナーゲーム

月面のアヌビスの感想です。

 

 

 

月面のアヌビスとはどんなレトロゲーム?

 

この月面のアヌビスですが

1995年にイマジニアから発売された

サウンドノベル作品でした。

 

ざくろの味というサウンドノベル作品と同時に発売された

世にも珍しい作品でした。

 

同じメーカーから

同じ発売日に

同じジャンルの作品を発売する。

 

こんなぶっ飛んだ戦略でした。

 

定価も11800円という強気の値段設定でして

2本同時に買うのは、ほぼ不可能という状況だったそうです。

 

 

そんな、月面のアヌビスのあらすじですが

 

月面研究所の近くに衝突した、隕石の謎を解明しようと調査に向かう。

あれ?帰って来た船員の様子がおかしくないですか?

こんなあらすじです。

 

ゲームの目的は

月面研究所の宇宙飛行士に選ばれた

主人公の「啓介」と「香織」を操りまして。

どうやってこの危険な状況を打破していくのか?という目的でした。

 

ゲームのシステムは

オーソドックスなサウンドノベルで。

似たタイプのゲームで言いますと

「かまいたちの夜」や「魔女たちの眠り」に似ていましたね。

 

序盤に選んだ選択肢によって

主人公の性格が変わって行く、不思議なシステムで。

性格によって、見られるエンディングが変わってくるなど

何度も遊べるシステムになっていました。

(慎重、臆病、ふざけた、等に変わる困ったシステムでした。)

 

今までのサウンドノベルは

ホラー系が圧倒的に多かったのですが

 

月面というSFの世界感を上手く表現している

珍しいサウンドノベルでもありました。

 

マイナーゲームだけど遊び応えは抜群

そんな、今の時代に遊んでほしい作品でしたね。

 

 

 

月面のアヌビスの感想でもあり レビューでもあり

 

[ゲームのボリューム感がとんでもない]

 

このゲームですが

事前情報をほとんど入れずに遊びました。

 

たまたま中古ショップで見かけて

サウンドノベルらしいというだけで購入してみました。

 

そして、宇宙を舞台にした壮大な作品だと分かり

ビックリした訳です。

 

主人公とヒロイン以外

全てが外国人で構成されているという

未だかつてない、覚えにくさも衝撃でした。

 

「マシュー?マリー?ヨーゼフ?…誰だっけ?」です。

 

正直言いまして、それほど期待しないで遊んだ訳です。

「メインルートだけ遊んだら、辞めようかな」といった感じでした。

 

しかし、物語が進むにつれて

どんどんそのディープな世界感に引き込まれていきまして

「やばい、達成率を100%にしたい!!」となりましたね。

 

メインルートをクリアするのに3時間

サブのルートをクリアするのに2時間

おまけのルートをクリアするのに3時間

エンディングを埋めていくのに10時間

 

こんな感じで

かまいたちの夜や、学校であった怖い話並に

ゲームのボリューム感がありましたね。

 

魔女たちの眠りや、夜光虫が短かった為に

「マイナーサウンドノベルは短いよね」というイメージだったのですが。

良い意味でぶち壊してくれた作品でしたね。

 

テキストが表示されるのが遅いので

読み進めるのが辛いというのもあったのですが。

 

「このシナリオの結末を知るまでは、辞められない」となったので

頑張って遊びました。

 

学校であった怖い話の時も

選択肢のメモは必須でしたが。

 

この月面のアヌビスも

ちゃんとメモをしながらお楽しみください。

 

 

 

[記憶喪失篇が怖くて、面白すぎる]

 

メインのルートとしましては

地球外生命体の侵略から、どうやって生き延びるのか?というのが目的でした。

 

そのルート意外にも

沢山のおまけルートが用意されているのですが。

 

その中でも

メインルート並に濃厚なシナリオが

「主人公が記憶喪失」になってしまうルートでした。

 

宇宙飛行士の主人公なのに

なぜか地球に居て、その間にあった宇宙の事をすべて忘れている。

こんな始まりでした。

 

こんな主人公に「逆行催眠」をかけまして

「今までにあった事を、一から思い出して行きましょう」という訳です。

 

 

最初は和気あいあいとしていた宇宙船クルーの面々

 

とある殺人事件をきっかけに、どんどん疑心暗鬼になっていく面々

 

犯人は誰なのか?

 

誰が生き残って、誰が死んでしまうのか?

 

どうやって自分は地球に帰還したのだろう?

 

ヒロインは無事なのだろうか?

 

こんな事を、推理しながら進んで行きます。

 

その中でも特に面白いのが

「自分が見た夢のとおりに、殺人事件が起こる」という

嫌な特殊能力でした。

 

逆行催眠の効果なのか?

もしかしたら…?

なんて感じで、最高にドキドキさせてくれました。

 

正直、このシナリオが無かったら

「月面のアヌビスってまあまあかな」といった感想だったのかもしれません。

 

しかし、このシナリオが有るおかげで

「月面のアヌビス、買って大正解」となったのでした。

 

まるでサスペンス映画を観ている様な興奮

そんな名作シナリオなのでした。

 

 

 

[ヒロインを好きになる、ヒロインを嫌いになる、ヒロインを好きになる]

 

このゲームが他のサウンドノベルと違うのが

「ヒロイン目線のルートがある」という所です。

 

今までは主人公の目線で進んでいたのに

このルートに入った瞬間に

今までの世界がガラリとかわります。

 

あの事件の時に、実はヒロインはこう思っていた

こんな、裏話的なシナリオだった訳です。

 

今までは守ってあげたかったヒロインが

このシナリオに入った瞬間に

とんでもない豪快な女に変化します。

 

言っている台詞の裏では

まったく逆の事を思っている。

 

主人公の酷さに、あきれ返っている。

 

面白いと言っていたギャグも、完全にドン引きしている。

 

こんな感じで、ヒロインの事を嫌いになってしまいます。

 

「あんなに守りたかったヒロインなのに、酷い」です。

 

 

しかし、こんなヒロインなのですが

シナリオを進めていくごとに、どんどん謎みたいなものが解明されていき

結局は好きになってしまうんですよね。

 

駄目な主人公を上手く誘導して

事件を円滑に進める。

 

こんな知的な女性に早変わりするんですよね。

 

 

「守ってあげたい、可愛らしいヒロイン」からの

「冷め切っている、性悪女」からの

「知的なスーパーウーマン」

こんなギャップがたまらなく魅力的なのでした。

 

 

同じメインルートをプレイしているはずなのに

視点を変えることで、こんなにも違った世界になる。

 

そんな衝撃的なシナリオなのでした。

 

 

 

月面のアヌビスのまとめ

 

なぜ遊んでほしいのか?

 

マイナーゲームという事もあり

名前すら聞いた事が無い人も多いかと思います。

 

だからこそ、ゲーム内容を語られる事も

少なかったのでしょう。

 

その部分では

ネタバレが少なくて済むのも良かったのではないでしょうか。

 

ホラー系というよりは

サスペンス系のサウンドノベルだと思いますので

怖いのが苦手な人にもお勧めできますね。

 

 

なにがそんなに面白いのか?

 

シナリオが変わることで

キャラクターたちの雰囲気もガラリと変わりますので。

 

新鮮な気持ちで何度もプレイ出来るのは良かったですね。

 

コミカルなシナリオから

シリアスなシナリオまで

ボリューム満点のサウンドノベルをお楽しみください。

 

 

今急いで買う理由ってあるの?

 

こんなにも素晴らしい作品なのに

バーチャルコンソールでは配信されていないんですよね。

 

今では2000円前後で購入できますので

興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

かまいたちの夜には勝てなかったけど

かまいたちの夜並には楽しめる

 

ゲームのシステムさえ完璧だったら

もしかしたら勝っていたのかも知れない…。

 

それこそが、月面のアヌビスの魅力なのでした

 

 

今日も

レトロゲームとマンガとももクロと

をお読みくださりありがとうございました

 

マイナーゲームだからしょぼい…なんて思わないでね

きっと大好きになると思います

それこそが、今急いで1980円で買う理由です

 

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