レトロゲームとマンガとももクロと

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ボクの手塚治虫 一生を終わらないでほしいと思う 名作エッセイマンガ

マンガの神様に出会って 人生を変えられた男の 濃厚過ぎる400ページ

 

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[釣りキチ三平の作者が描く 手塚治虫がいかに凄いのかという エッセイ漫画]

[ボクの手塚治虫    矢口高雄   毎日新聞社]

1989年発売  ジャンル エッセイマンガ  参考380円

 

 

私の人生の目標としましては

矢口高雄さんの漫画は全て集めようと思っています。

 

釣りキチ三平で存在を知り

 

そこから、沢山の矢口マンガを集めていますが

 

まだまだ半分にも満たないと思います。

 

なにせ、大好きな釣りキチ三平ですら

8冊ほど抜けがありますからね。

 

「絶対に集めてやるぞ!!」と常に思っています。

 

そんな矢口高雄さんのマンガを

最近また買いました。

 

そして、あまりの面白さに

「これは、絶対に感想を書かなくては!!」と思ったのでした。

 

 

そんな今回の 矢口高雄さんが描く 沢山の手塚治虫キャラクターが素晴らしい

ボクの手塚治虫の感想です。

 

 

 

ボクの手塚治虫とはどんなマンガ?

 

このボクの手塚治虫ですが

1989年に毎日新聞社から発売された

矢口高雄さんが描く、エッセイマンガでした。

 

大人気少年マンガ

「釣りキチ三平」の作者である

矢口高雄さんが

 

手塚治虫先生とはどんな人物だったのか?を描くと共に

 

田舎の少年であった矢口高雄に

どのくらいの影響を与えたのかを

 

400ページという

物凄いボリュームで書き連ねていく

 

超が付くほどの名作エッセイマンガでした。

 

 

物語の始まりとしましては

 

手塚治虫先生の訃報が届くところから始まります。

 

マンガの神様で

マンガの基礎を作り上げた偉大な人物が

亡くなってしまう。

 

そんな衝撃の始まりでした。

 

そこから

矢口高雄さんの少年時代のエピソード共に

 

手塚治虫がどのような人物だったのかを

描いていくという流れでしたね。

 

 

秋田の山奥という

外からの情報がほとんど入ってこない環境の中で

 

たまたま手に入った

「流線型事件」という漫画に出会う所から

物語が始まって行きます。

 

そのマンガこそが

手塚治虫のマンガだった訳ですね。

 

そのあまりのクオリティの高さに

一発で手塚治虫のファンになってしまった少年が

 

沢山の手塚マンガを読むために

奮闘していく

 

ワクワクすること間違いなしの

名作エッセイマンガなのでした。

 

 

 

ボクの手塚治虫の感想でもあり レビューでもあり

 

[矢口高雄が描く 魅力的な手塚キャラクターの数々に震える]

 

このマンガの最大の売りで言いますと

矢口高雄が描く、「アトム」や「ヒゲオヤジ」を見られる事でしょうね。

 

良くありますよね

 

「鳥山明が書いた両さん」とか

 

「荒木飛呂彦が書いた両さん」とか。

 

他の作者が

記念として、その漫画のキャラクターを描くという事が。

 

私はあの企画が本当に好きで

年一くらいで見たいくらいです。

 

他の漫画家さんが描くことで

同じ人物なのに、見え方が違ってくる。

 

そんな素晴らしさがありました。

 

 

そんな展開が

この「ボクの手塚治虫」でもあった訳ですね。

 

手塚治虫の大ファンである

 

矢口高雄が描く

 

鉄腕アトム

 

メトロポリス

 

ジャングル大帝などなど

 

全ての漫画を

大ファンである作者自身が描いていく。

 

そんな豪華さがありました。

 

「ミッチイ」という

鉄腕アトムの原型にもなった

メトロポリスのキャラクターが居るのですが。

 

このミッチイの可愛いこと言ったらもう

半端なかったですね。

 

ボタンを押すことで、男にも女にもなるという

なかなかのキャラクターなのですが。

 

その女の子バージョンのミッチイが

まあ可愛かったです。

 

その他にも

ジャングル大帝の「コンガ」なども可愛らしく

 

矢口高雄が描く

手塚治虫の漫画というだけでも

充分に楽しませてくれました。

 

 

手塚治虫の漫画なのに

どことなく釣りキチ三平のエッセンスが含まれている

 

そんな綺麗すぎるイラストもお楽しみください。

 

 

 

[手塚治虫の漫画を読む為に  必死に頑張る そんなワクワク]

 

この漫画の

もう一つの面白さで言いますと

 

どうやって、手塚治虫の漫画を読むのかという所にあります。

 

なにせ、秋田県の山奥に住んでいますからね

本屋なんてものはありません。

 

歩いて5時間の所に本屋があるという

絶望的な状況だからこそ

 

そのチャンスを逃さないように頑張って行く訳です。

 

当時は、「杉皮背負い」という

アルバイトがあったそうで

 

杉の木の皮を、山の上から下まで背負っていくという

仕事だったそうです。

 

一回で5円貰えたそうで

そのアルバイトをしながら、必死にお金を貯めたそうです。

 

月に一度発売される

93円のマンガ雑誌を買う為に

 

延々とアルバイトに明け暮れる

 

そんなワクワクがありました。

 

大雪が降っている中

「急がないと誰かに買われるかもしれない!!」なんて不安になりながら

片道20キロの雪道を必死に歩いていく。

 

そんな大冒険でした。

 

矢口高雄さんは元銀行員ですので

お金の話を書くことが多いのですが。

 

このお金の話は

どのエピソードも最高でしたね。

 

「オーイ!!やまびこ」という

小学生の時代を描いたエッセイマンガでも

 

自転車を買う為に

沢山の罠を仕掛けて、獲物を捕ろうとするエピソードがあるのですが

 

そのエピソードも、最高にワクワクできました。

 

今では、ボタン一つで

お手軽に漫画を買える時代ですが

 

当時は命がけで漫画を買いに行っていた

 

そんな事を、このエピソードで学んだのでした。

 

 

 

ボクの手塚治虫のまとめ

 

なぜ読んで欲しいのか?

 

少年時代のエピソードを絡めつつも

 

手塚治虫がどんな人だったのかを説明してくれる

 

あっという間に読んでしまう作品でしたね。

 

 

なにがそんなに面白いのか?

 

トキワ荘の住人が

手塚治虫さんを語ることは多いと思います。

 

偉大な漫画家だけど

身近な存在

 

こんな印象が

トキワ荘出身の漫画家さんたちの

手塚治虫だったとしたら。

 

偉大な漫画家で

近づけない、雲の上の人

 

こんな印象が

矢口高雄さんの

手塚治虫だったのではないでしょうか。

 

そんな手塚先生に

出会えた時の嬉しさも描かれていまして。

 

このエピソードだけで

単行本を一冊書いてほしい程の

興奮がありましたね。

 

憧れの手塚治虫先生に出会い

 

1つだけお願い事をされる

 

そのお願いを

このマンガを書くことで、達成する。

 

そして、手塚治虫先生の墓前に捧げる。

 

 

泣いちゃうね。

 

 

今急いで買う理由ってあるの?

 

あの、ページが少なくなって行く悲しさ

 

あの、「一生終わらなければいいのにな」と思ってしまう

最高のドキドキ。

 

そんな漫画は久しぶりでした。

 

「手塚治虫に興味ないし」なんて人も多いかと思います。

 

その点は大丈夫です。

 

半分は

手塚治虫の事を書いていますが

 

半分は

田舎の山奥で暮らす、少年の物語ですので。

 

自然の中で暮らしてみたいなと

癒されるでしょうね。

 

そして、興味のなかった

手塚治虫先生に魅了されて

 

400冊の手塚全集を集めていくと…。

 

 

矢口高雄が大好きで

 

手塚治虫が大好きで

 

エッセイマンガが大好き

 

私にとっては

これ以上ないご褒美なのでした。

 

 

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