レトロゲームとマンガとももクロと

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盗賊会社 星新一  会社やお金など わりとリアル寄りのファンタジー短編集

後半の3話連続の流れに痺れる

 

[息をするように読める 最高の短編集]

[盗賊会社 星新一  講談社]

 

1973年発売  

ジャンル ショートショート

参考価格  180円

 

 

最近は色々な書籍の感想を書いています

 

 

retogenofu.hatenablog.com

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過去の記事も読んでもらえると嬉しいです

 

 

今回感想を書きたいなと思ったのが

 

「盗賊会社」という短編小説です

 

「昔読んだことがある」とか

 

「最近星新一を読みまくってます」という方は、

この書籍を買う参考にしてみて下さい。

 

 

 

盗賊会社とはどんな書籍?

 

この盗賊会社ですが、

1973年に講談社から発売された

星新一さんの短編集でした。

 

ショートショートの神様である、

星新一さんが

 

「会社」や「お金関係」など、

かなりリアル寄りの題材でショートショートを書いていまして。

 

「宇宙人」や「博士」など、

星新一さんの代名詞であるファンタジーを活かしつつも

 

「産業スパイ」や「税金徴収」など

お金関係のリアルな要素が登場して来る。

 

他の短編集とは若干異なる

摩訶不思議な作品に仕上がっていましたね。

 

 

39作もの名作短編集も読めて

 

星新一さんには珍しい

後味の悪いショートショートも読めて

 

それでいてちゃんとスカッとさせてくれる

 

星新一さんの短編集の中でも、

特に好きな一冊なのでした。

 

 

 

 

盗賊会社の感想でもあり レビューでもあり

 

[お金関係のショートショートが盛りだくさん]

 

この一冊がどんな作品なのか?と聞かれたら

 

「お金関係に特化した」短編集だと思います。

 

星新一さん自体が、

大手製薬会社の御曹司ですからね。

 

お金関係のショートショートこそが、

大得意だったのかも知れません。

 

 

平社員から社長まで、

全ての従業員が悪党で、

犯罪行為だけを生業にしてお金を稼いでいる

盗賊会社とか

 

エリート新入社員が、

ライバル企業にスパイとして潜入して、どんどん出世していく

雄大な計画とか

 

現実世界でありそうな設定に、

星新一さんならではのファンタジー要素をプラスしていく。

 

少し大人向けの短編集だったかもしれません。

 

 

私が大好きで読んでいた星新一作品で言いますと、

昔の作品を再編集した書籍が多かったです。

 

ですので、

どうしても後味の悪い作品は排除されていたと思います。

 

そんな部分を、排除しなかったのが、

この時代のオリジナル作品だったと思いますので。

 

過激な星新一さんに出会いたい人は、

昔の作品を読むことをお勧めします。

 

 

こんな世界があったら面白いな

 

とは少しだけ違う

 

お金関係のリアルなショートショートをお楽しみください

 

 

 

[後味の悪いショートショート二連続からの 素晴らしい物語]

 

星新一さんで言いますと、

後味の悪いショートショートというのはかなり少ないと思います。

 

その安心感があるからこそ、

「子供に読ませたい書籍」の上位にランクインするのだと思います。

 

「スカッとする爽やかなショートショート」これこそが、

星新一さんの醍醐味だと思います。

 

 

しかし、

今回の作品に関して言いますと、

なかなかの後味の悪さになっています。

 

「え?こんなに酷い終わり方でいいの?」という

作品が多いですからね。

 

逆に新鮮な体験をできました。

 

 

そんな作品の中で、

特に印象に残ったのが

後半に登場する三つの物語になっていました

 

 

目の見えない少女は、

沢山の人に支えられながら幸せな生活をしている

 

そんな地域に、

地球がどんな惑星なのか?を調査に来た宇宙人

 

そこで天使のように優しい少女に出会い、

自分の惑星に来ないか?と誘う…。

 

善意の集積

 

 

ジャングルに住んでいる主人公の元に、

宇宙船が壊れて困っている宇宙人が現れる

 

宇宙船を直すために

「大量の水晶をくれないか」とお願いする

 

お安い御用と、大量の水晶を用意する主人公

 

そのお礼に、

黒い棒と空を飛べる機械を置いていく宇宙人

 

その二つの機械を手にした主人公は…。

 

黒い棒

 

 

子供たちの遊び場がないとわかれば、

大量の土地を買って公園にしてあげる

 

交通事故の被害者には、

多額の御見舞金を上げる

 

「一度でいいから旅行をしてみたい」と夢見ている老人には

旅行の切符と旅館代を出してあげる

 

そんな、神様の様な青年の正体に迫って行く

 

謎の青年

 

 

こんな3つの物語が

この本の中で、最も読んで欲しい部分だったと思います。

 

 

善意の集積に関して言いますと、

最初はめちゃくちゃ良い話で、オチの後味が悪い

「え?そのオチ必要?」系のヤバさですし。

 

黒い棒に関して言いますと、

淡々と進んでいて、オチの後味が悪い

「シンプルに嫌な話」系のヤバさですからね。

 

この二つの物語ならば、

世にも奇妙な物語に載っていても

なんら不思議では無いレベルの嫌さでした。

 

 

しかし、ここで終わらないのが、

盗賊会社という作品の凄さです。

 

そんな嫌な物語の後に、

謎の青年という、

「最高にスカッとする」一度は読んで欲しい物語を持ってきました。

 

「なんだろうこの感じ…」という

何とも言えない嫌な感覚になっている時に。

 

「これを読んで、爽やかな気持ちになれ!!」という

謎の青年というド直球の良い話を持ってくる。

 

 

もう最高でした。

 

 

もう「ズバーン!!!!!」ですからね。

 

この謎の青年という話を引き立たせるために、

あえて嫌な話を持ってきたのかもしれません。

 

 

嫌な話もあるけど

 

星新一作品の中でも

特に素晴らしい物語も読める

 

盗賊会社という最高の作品の感想を終わらせていただきます。

 

 

 

盗賊会社のまとめ

 

この作品の解説に書いてある

「息をするように読める」という部分が、

本当に納得できました。

 

嫌な話が多いはずなのに、

「いつまでも読んでいたい…」と思えますからね。

 

まだ読んだことがない方は、

今すぐ読んで欲しいなと思います。

 

 

星新一さんの中でも、

ベスト3に入るくらい大好きな

謎の青年という話に出会えた

 

最高の一冊をお楽しみください。

 

 

こちらから購入できます

 

 

200円

 

 

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