レトロゲームとマンガとももクロと

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悪魔のいる天国 ブラックな星新一が凝縮された 濃厚な短編集

救いのない話が沢山あって 逆に面白い

 

[36編のブラックなショートショートを楽しめる 大人向けの星新一]

[悪魔のいる天国  星新一  新潮社]

 

1975年発売  

ジャンル  ショートショート

参考価格  200円

 

 

最近は色々な小説の感想を書いています

 

 

retogenofu.hatenablog.com

retogenofu.hatenablog.com

 

 

過去の記事も読んでもらえると嬉しいです

 

 

今回感想を書きたいなと思ったのが

「悪魔のいる天国」というショートショート集です。

 

昔から気になっていました。

 

タイトルにパンチがありすぎですからね。

 

2018年という今の時代に、

ようやく読むことが出来て最高に嬉しいです。

 

「私も気になってた!!」なんて方は、

購入の参考にしてみて下さい。

 

 

そんな今回の ここまでブラックに仕上げられたら 逆に清々しい

悪魔のいる天国の感想の始まりです。

 

 

 

悪魔のいる天国とはどんな小説?

 

この悪魔のいる天国は、

1975年に新潮社から発売された

星新一さんのショートショート集でした。

 

あまり過激な内容を書かない星新一さんですが、

数十編に1編くらいの割合で、エグイ物語を仕込んでいます。

 

そんなエグイ物語を読むたびに、

「こんなオチになるなんて…」と、少しドキッとする事があるのですが。

 

そんなブラックな物語を濃縮しまくったのが、

今作の悪魔のいる天国だったのかも知れません。

 

 

今までとは違う

 

少しブラックな星新一に出会える

 

そんな名ショートショートなのでした。

 

 

 

悪魔のいる天国の感想でもあり レビューでもあり

 

[本のタイトルの物語が無いという なかなかの新鮮さ]

 

この本でもっともビックリしたのが、

悪魔のいる天国という物語が無いことでしょうか。

 

こちらとしましては、

そのタイトルの面白さに魅力を感じた訳ですからね。

 

「どんな物語なのかな?」

 

「どんなオチなのかな?」

 

こんなワクワクで、

勝手にストーリーをイメージしていました。

 

 

そして、どんどん読み進めて行き

 

「次かな?」

 

「流石に次かな?」

 

「もしかして最後かな?」とドキドキして

 

「いや、ないんかい!!」と衝撃を受ける。

 

悪魔的な手法なのでした。

 

 

 

[私が最も痺れた 大好きな3編]

 

そんな、

かなり大人向けの名ショートショート集の中で

 

私が最も痺れた3編を

紹介したいと思いますので、

気になる物語があしましたら、読んでみて下さい。

 

 

まず初めに紹介したいのが、

「殺人者様へ」という

ミステリードラマの様なショートショートです。

 

そんな物語のあらすじは

 

海岸に打ち上げられたビンの中には、

とある女性の遺書が入っていた

 

その遺書を読みながら、

「その女性が、どうしてその様な状況になったのか?」を、

徐々に理解していく。

 

他のショートショートとは少し感覚が違う、

何とも不思議な物語になっていました。

 

 

オチを読んだ後も、何度も読みなおしてしまう。

 

読めば読むほど面白い、

ミステリアスな物語を楽しんでください。

 

 

次に紹介したいのが、

「ピーターパンの島」という、

大好きなショートショートです。

 

 

そんな物語のあらすじは

 

科学が進歩した未来の世界では、

妖精や怪物などの非科学的な要素を完全に排除してきた

 

しかし、そんな世界でも、

「妖精や怪物が現れた」と言いだす

想像力豊かな子供がまれに現れる。

 

そんな子供たちを教育するために、

その子供たちだけを集めた学校があった。

 

科学的な世界で暮らす

リアルな人々

 

ファンタジー溢れる架空の世界で暮らす

夢一杯の子供たち

 

果たしてどちらが本当の幸せなのだろうか…。

 

なんて感じで、

かなり考えさせられる内容になっていまして。

 

今という時代に読んでも

全く古さを感じない作品に仕上がっていました。

 

 

最後に紹介したいのが、

「帰郷」というショートショートでして。

 

この本の最後を締めくくるにふさわしい、

最高の物語になっていました。

 

 

そんな物語のあらすじは

 

遠い遠い惑星への連絡員に志願した青年

 

多額のお金を貰える代わりに、

往復3年間という長旅に出なくてはならない

 

そんな帰りの宇宙船の中で、

あまりの退屈さに、幻の女性を作り上げて会話をしてしまう

 

その幻の彼女というのは

決して架空の女性では無く

過去にひとめぼれしてしまった女性だった。

 

そんな幻の女性と、幻の会話を繰り返すうちに、

どんどん恋の情熱が湧き上がってきて、

「地球に戻ったら、絶対に彼女を見つける!!」と決意する青年。

 

果たして結末はどうなるのか…。

 

こんな物語になっていました。

 

 

今までは、ブラックなショートショート集だったのに

 

急に甘酸っぱいショートショートをねじ込んでくる

 

そんなギャップを楽しんでください。

 

 

 

悪魔がいる天国のまとめ

 

数ある短編集の中で、

読んだ後の精神的なダメージで言えば、

トップクラスに凄い作品だと思います。

 

「ブラックな短編集が読みたい」という方は、

この機会に読んでみて下さい。

 

 

ちなみにですが、

「ダウンタウン」の「松本人志」さんが

 

過去に「放送室」というラジオ番組で

「この話が面白い」と言っていた

「愛の通信」というショートショートもこの本に収録されていますので。

 

「ずっと気になってた」なんて方もどうぞ。

 

 

ピーターパンの島

 

そんな、一生忘れられないショートショートをどうぞ

 

 

こちらから購入できます

 

 

完品状態  200円

 

 

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