レトロゲームとマンガとももクロと

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ウィザードリィ日記 63歳のゲーム初心者が ウィザードリィをガチで遊んだらどうなる? そんな名作エッセイ

63歳のおじいさんが ウィザードリィをガチで遊んだらこうなる

 

[こんなにも 心がわくわくしたエッセイは無いかも知れません]

[ウィザードリィ日記   矢野徹   アスキー]

1987年発売  ジャンル  エッセイ  参考価格550円

 

 

「ウィザードリィ」というコンピューターゲームの素晴らしさは

13000文字位書きました。

 

そんな大好きなウィザードリィなのですが

すんなりと遊べたのかと言いますと、まったくそんな事はありませんでした。

 

近くのゲームショップすべて回っても

一切購入出来なかったくらい

最高に、じらされたわけです。

 

私は最高にウィザードリィを遊んでみたい

 

しかし、どんなにゲームショップを探しても、全ての作品が売って無い。

 

こんな、最高にもやもやした期間でした。

 

 

最高にプレイしたかった時期に

どうやってその気持ちを我慢していたのか?というと

「ウィザードリィの名前が付く作品を全て買う」です。

 

ウィザードリィのマンガや

 

ウィザードリィの小説や

 

ウィザードの攻略本に

 

ウィザードリィのファン向けの本等

 

ウィザードリィの名前さえ付いていれば

とにかく買いまくっていました。

 

 

ウィザードリィのゲームは持っていないのに

ウィザードリィ関連の物は沢山持っている、なんとも不思議な状態でした。

 

そんな時に、偶然購入したのが

この「ウィザードリィ日記·パソコン文化の冒険」でしたね。

 

正直言いまして、この作品に出会わなければ

「ウィザードリィこそが最高のゲーム」とはならなかったのかもしれません。

 

それくらい、私にとって大事な一冊でしたね。

 

 

 

ウィザードリィ日記とはどんな本?

 

このウィザードリィ日記という本は

 

ゲームの完全なる初心者である、「63歳のおじいさん」さんが、

ウィザードリィというディープな世界に、どっぷりハマっていく。

 

半分妄想、半分現実という世界を

エッセイとしてまとめた本でした。

 

まさに、34年前のブログ本といった感じでしょうか。

 

この63のおじいさんが、どんな人なのかと言いますと

「矢野徹 やのてつ」という人で

翻訳家でありながら、ファンタジー小説を執筆している人でした。

 

翻訳で言いますと、「巌窟王」なんかが有名な翻訳で

小説で言いますと、「カムイの剣シリーズ」は、この矢野さんの執筆でした。

 

 

こんな矢野さんが

あの中毒性たっぷりの、ウィザードリィにであってしまったらどうなるのか?

 

こんな時間経過を、日記形式でまとめて読むことが出来るのが

今作のウィザードリィ日記なのでした。

 

 

 

ウィザードリィ日記の感想でもあり レビューでもあり

 

[ウィザードリィ日記でありながら 基本的にはウィザードリィ成分が薄い]

 

この本を読んで、最初に思った事は

「ウィザードリィの成分が薄い」ですね。

 

ウィザードリィ日記というタイトルですから

ウィザードリィ成分が満載の本だと思ってしまいますよね。

 

しかし、ウィザードリィのゲーム日記というよりは

 

矢野徹さんが、色々なパソコンのゲームに触れて

 

このゲームを遊んで、どう思ったのか?を日記に記しているという感じでした。

 

そんな沢山のゲームの中でも

特にはまったパソコンゲームが、ウィザードリィだったという内容でした。

 

そんな作品でしたので

「ウィザードリィのプレイ日記なんだ」と思って買ったら

「ウィザードリィ成分がめちゃくちゃ薄い」とびっくりしたわけです。

 

しかし、そんな薄い成分なのに

 

ウィザードリィという、ゲームの奥深さについては

本職の執筆テクニックを駆使して、充分に説明されていました。

 

ウィザードリィの成分は薄いけど

ウィザードリィを好きになるには充分、そんな濃厚な内容でしたね。

 

 

特に面白かったのが

 

ウィザードリィのゲームが届く前日に

キャラクターの名前や、キャラクターの職業を全部考えて待つ

 

まるで、「遠足前の小学生」の様なウキウキ加減が

とてもお茶目で可愛いかったです。

 

63歳のおじいさんを

こんなにも、ウキウキワクワクさせるのですから、

「ウィザードリィというゲームって、本当に凄いんだな」と

さらにプレイしたくなりましたね。

 

 

グルメレポーターの人が

最高の料理を紹介するかの如く。

 

文章を執筆するプロが

史上最高のゲームをレビューしていく訳ですから。

「こんなにも贅沢な本は無い」と言いきれるほどの凄さがありましたね。

 

手塚治虫さんが、宝塚歌劇団をモチーフに

「リボンの騎士」を描いた様に。

 

矢野徹さんが、ウィザードリィをモチーフに

新作のエッセイを書いていた訳ですから。

 

当時の読者には、最高のご褒美だったのではないでしょうかね。

 

 

ウィザードリィの成分は薄いのですが

そんな薄さすらも、文章の圧倒的なテクニックで最後まで読ませてしまう。

 

素晴らしすぎる一冊でしたね。

 

 

 

[ウィザードリィの初期を、まるで自分自身の様に体験出来る]

 

この作品を読んだ時は

ウィザードリィを体験したことがありませんでした。

 

そして、この著者である矢野さんも

ウィザードリィを体験した事が無い状態で始まります。

 

事前の情報は、調べているのですが

基本的には、まっさらな状態でウィザードリィを遊んでいきます。

 

「どうやってセーブをするのか?」

「このモンスターはどんなキャラクターなのか?」

「どうやって地図を作って行けばいいのか?」

 

こんな、ウィザードリィというゲームを遊んだ時の

ファーストインパクトを、一から楽しめる訳ですね。

 

「モンスターなのに、友好的とは?」とか

 

「バブリースライム?日本語に訳すと、ぶくぶく、ぬるぬる?」とか

 

「おかしい?マップを書いているのにまったく合わない?」とか

 

ウィザードリィを初めて体験した時の

 

「誰もが一度は思うであろう」、お約束的なことから

 

「さすが、ファンタジー小説のプロ」と思ってしまう斬新な切り口まで

 

まさに、ウィザードリィ日記というタイトルが相応しい出来でした。

 

 

ウィザードリィを遊んだ事が無くても

「ウィザードリィとは、最高に楽しいゲームなんだな」なんて感じが

文章からひしひしと伝わってきました。

 

完全なるゲームの初心者だからこそ見えてくる

「RPGの疑問点」なんかが、うまく表現されていましたので。

 

ゲーム初心者である、この貴重な時期にしか書けなかった

唯一無二のエッセイだったのかもしれません。

 

 

 

ウィザードリィ日記のまとめ

 

なぜ読んでほしいのか?

 

63歳のおじいちゃんが、どんどんゲームに熱中していく

こんなワクワクドキドキが最高でしたね。

 

ブログという世界が無かったころに

ブログ本が出版されているのですから。

 

どんなに衝撃的だったのかを、今の時代に体験してください。

 

 

なにがそんなに面白いのか?

 

ウィザードリィのみならず

「ブラックオニキス」や「カムイの剣」などの

沢山のゲームをプレイしていますので。

 

レトロなパソコンゲームが大好きな人にとっては

何倍も楽しめるのではないでしょうか。

 

 

今急いで買う理由ってあるの?

 

正直言いまして、この作品を読んだ後は

ウィザードリィを猛烈に遊びたくなります。

 

「あー、ウィザードリィが遊びたい!!」こんな感じです。

 

そんな作品なのですが

ウィザードリィを遊んだ事が無くても、充分に楽しめる作品だと思います。

(私は知らなくても楽しめましたから。)

 

しかし、ウィザードリィに何千時間と費やした人が読んでも

最高に楽しめると思います。

(あの頃の新鮮な気持ちを、思い出すことができますので。)

 

 

私の場合は

ウィザードリィ日記を読んだ時は、まだウィザードリィは未体験でした。

 

ですので、ウィザードリィというゲームが、

どんなゲームなのかというのは、イメージしづらかったと思います。

(世界感は分かっても、モンスターのグラフィックや、魔法の意味なんかは不明でしたので。)

 

それでも、自分なりのイメージを当てはめて

一緒に冒険できました。

 

それから時間が経ち

ウィザードリィというゲームを完全にイメージして読むことが出来ますので

あの時よりも、感情移入して読めましたね。

 

同じ本なのに

ウィザードリィ使用前

ウィザードリィ使用後で、もう一度読み返すことが出来るのは

この作品の最高に良い所かも知れませんね…。

 

 

正直言いまして、日記をまとめた本ですので

結構な愚痴の多さだとは思います。

 

「日本という国は、これからどうやって進んで行くんだ」みたいな

まさに日常の部分も、書かれています。

 

ですが、おじいさん特有の愚痴の部分も

「矢野さんって、こういう人だったんだ…」なんて

良いアクセントになっていますので。

 

面白いエッセイをお探しの方にも、楽しんでもらえるのではないでしょうかね。

 

 

自分の原作小説のゲームなのに

「全くクリア出来なくて、ファンの少年に教えて貰う」など

ウィザードリィ以外のゲームの話も楽しむことが出来ますので。

 

興味のある方は、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

63歳のおじいちゃんすら虜にしてしまう 

 

そんな経過をお楽しみください

 

 

小説版のウィザードリィを繰り返し読み

 

ウィザードリィ日記を繰り返し読み

 

「ウィザードリィがやりたいな···」そう思っていた毎日も楽しかった

 

ウィザードリィ日記

 

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