レトロゲームとマンガとももクロと

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ジオニックフロント  ガンダムと目があった瞬間に死ぬゲーム

こんなにも難しいガンダムゲームも珍しい。ジオニックフロントが、ジオン兵の地獄を見せてくれた

誰かが「面白い!」と言ってくれたから、

最後まで諦めずにプレイできたゲームってありますよね。

 

もし言われていなかったら、序盤で投げ出していただろう、そんなゲームです。

 

たとえば『モンスターハンター』。

 

最初は「本当に面白いのか?」と疑いながらも、

10時間ほどでその魅力の虜になり、

「超面白いよ!」と周りに勧めるようになった人も多いでしょう。

 

そんな、序盤の苦行を乗り越えた先に、

真の面白さが待っているゲームが、ガンダムゲームの中にも存在します。

 

それが、2001年にバンダイから発売されたプレイステーション2用アクションゲーム、

『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』です。

 

 

主役はジオン軍一般兵!一年戦争の裏側を体験せよ

 

このゲームは、

大人気アニメ『機動戦士ガンダム』のゲーム化作品ですが、

主人公はなんとジオン軍の一般兵士です。

 

アムロ・レイのようなエースパイロットではなく、

オリジナルの特殊部隊「フェンリル隊」を率いて、

一年戦争の裏側を体験するという、非常にディープな内容になっています。

 

ゲームシステムは

『アーマードコア』や『バーチャロン』に似たアクションゲームですが、

単なるアクションではありません。

 

ステージごとに設定されたミッションをクリアするために、

機体のセッティング、ルート選択、パイロットの選定といった

綿密な戦略を立てる必要があります。

 

最初は「ザク」と「旧ザク」しか与えられない小さな部隊ですが、

任務をこなすごとに新しい機体が補給され、優秀なパイロットが入隊してきます。

 

やがて、連邦軍にも一泡吹かせられるかもしれない、

そんなワクワクする展開が待っています。

 

 

エースパイロットとは住む世界が違う、リアルすぎる戦場

 

遊ぶ前、私は「シャアや黒い三連星と一緒に戦えるんだな」と思っていました。

 

しかし、このゲームで体験するのは、

そんな華々しい戦場とはかけ離れた、裏方のような仕事ばかりです。

 

味方の警護、施設の制圧、データの収集…。

 

黒い三連星がガンダムと激闘を繰り広げているはるか後方で、

私たちは61式戦車やガンタンクと戦うのです。

 

通信ボイスでエースたちの活躍は知ることができますが、

こちらにも敵が押し寄せてくるため、見に行く暇などありません。

 

このゲームは、エースパイロットだからこそ主力を相手にできるという、

一年戦争のリアルを描いています。

 

 

ガンダムと目が合った瞬間、もう死んでいる

 

序盤は、他のガンダムゲームと同じように、

敵を見つけては撃ちまくって進むことができます。

 

しかし、とあるミッションで、プレイヤーは本当の絶望を味わうことになります。

 

そのミッションは、「ホワイトベース」の情報を収集するというもの。

 

ここで、ついに連邦軍のモビルスーツ、

そしてあのガンダムと対峙します。

 

ほとんどのプレイヤーは「ガンダムを倒してやる!」と意気込むでしょう。

 

しかし、その甘い考えはすぐに打ち砕かれます。

 

ガンダムと目が合った瞬間、もう死んでいます。

 

たった一発のビームライフルで、あっという間に撃破されてしまいます。

 

この時、プレイヤーは『ジオニックフロント』が、

「ガンダムを見たら逃げろ」というゲームであることを悟ります。

 

ガンキャノンやガンタンクでさえ、

ロックオンされた瞬間に死を覚悟しなければなりません。

 

このミッションでは、

ガンダムが戦場をウロウロし、ガンキャノンが道をガードし、

ガンタンクが高台から監視しています。

 

どうやってクリアするんだ?と叫びたくなるほどの鬼畜難易度です。

 

グレネードで煙幕を張り、敵の目を欺くなど、戦術を練りに練らなければ突破できません。

 

 

ドム、ドム、ドム! 勝利の女神はドムだった

 

そんな激ムズミッションをクリアすると、

物語が進み、新しい機体が支給されます。

 

そして、ついにあの憧れのモビルスーツ、ドムが手に入ります。

 

このドムの性能は、

一言で表すなら「チート」です。

 

他のモビルスーツが走る速度よりも、ドムが歩く速度の方が速いのです。

 

この圧倒的なスピードがあれば、

見つかろうが撃ち合いになろうが、ひたすらグルグル回っていればいいのです。

 

激ムズゲームのピークは、

間違いなくガンキャノン3体との戦いまで。

 

ドムを手に入れた途端、それまでのストレスがすべて開放され、

爽快感に変わります。

 

6体のドムでガンダムをボコボコにする、そんな快感は、まさに至高です。

 

 

なぜ、今すぐ買うべきなのか?

 

このゲームは、最初は「クソゲーだ」と思ってしまうかもしれません。

 

しかし、じっくりと戦略を練れば、

どんな困難も乗り越えられる道が用意されています。

 

チームの連携が勝利の鍵を握り、

パイロットとのブリーフィングを通じて彼らに感情移入していく。

 

そんな没入感は、他のガンダムゲームでは味わえません。

 

発売当時は「難しすぎる」という理由でワゴンセールの常連でしたが、

その真の面白さに気づいたプレイヤーたちが口コミで広めていった結果、

今では中古市場で品薄状態になっています。

 

「面白いゲームだと聞く→格安で買う→手放す気がなくなる→店頭から消える」、

この流れこそが、本作の評価が逆転した証拠でしょう。

 

最初はクソゲーだと思ってしまうかもしれませんが、

その苦労を乗り越えた先には、とてつもない感動が待っています。

 

ぜひ、このゲームをプレイして、

あなたが遊んだ中で最も面白いガンダムゲームだと推薦してください。

 

 

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