レトロゲームとマンガとももクロと

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25年の時を超えて蘇る、最強のトラウマと最高の感動。スーパーファミコン『超悟空伝・突撃編』は、ただの懐かしさでは終わらない

25年の時を超えて蘇る、最強のトラウマと最高の感動。スーパーファミコン『超悟空伝・突撃編』は、ただの懐かしさでは終わらない

 

「あのゲームは、難しすぎた…」

 

1995年、スーパーファミコンの黄金期に発売された

『ドラゴンボールZ・超悟空伝・突撃編』は、多くのプレイヤーにそう言わしめました。

 

単なるRPGでも、格闘ゲームでもない、

独自のジャンルを確立したこの作品は、

多くのドラゴンボールファンを熱狂させると同時に、幾度となく挫折へと追い込みました。

 

当時、カセットのみで4000円という高価なソフトにも関わらず、

私はこのゲームに夢中になりました。

 

しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。

 

プテラノドンにすら勝てず、迷いの森で途方に暮れ、

そして、あの圧倒的なラスボス、ピッコロ大魔王の前に何度も何度も膝を屈したのです。

 

しかし、25年の時を経て再びプレイした私は、

当時の記憶が鮮やかに蘇ると同時に、

このゲームが持つ真の魅力に気づかされました。

 

これは、単なる「思い出のゲーム」ではありません。

 

今プレイしても、いや、今だからこそ楽しめる、

奥深く、挑戦的な傑作だったのです。

 

今回は、この作品がなぜ、

多くのファンに「忘れられない」記憶として刻まれているのか、

その全てを紐解いていきましょう。

 

 

アクションとアドベンチャーの融合、原作を「自分の手で」紡ぐ体験

 

『超悟空伝・突撃編』の最大の魅力は、その独特のゲームシステムにあります。

  • アドベンチャーパート:物語は、選択肢を選ぶことで進んでいきます。このゲームは、単に原作のストーリーを追うだけではありません。プレイヤーの選択によって、物語が分岐し、原作とは異なる「もしもの世界」を体験することができます。
    • 「強敵との戦闘を避けて、平和に進める」
    • 「天下一武道会で、あえて敗北を選ぶ」

この自由度の高さは、キャラクターゲームとしては異例であり、プレイヤーの好奇心を強く刺激しました。

  • アクションパート:敵と遭遇すると、リアルタイムで戦う、アクション要素の強いバトルに突入します。画面中央のバトルフィールドを移動しながら、パンチやキック、そして必殺技を繰り出します。

一見すると、シンプルに見えるこのバトルシステムには、驚くべき奥行きが隠されていました。

 

隠されたシステム、それがなければクリア不可能だった

 

このゲームには、当時のプレイヤーを最も苦しめた、

ある「隠されたシステム」が存在しました。

 

それは、「LRボタン同時押し」です。

 

ゲームの序盤、

プテラノドンという雑魚敵と戦うことになりますが、

普通に戦うだけでは、ほとんど攻撃が当たらず、あっという間に倒されてしまいます。

 

当時の私は、この最初のバトルで早くも挫折を味わいました。

 

しかし、友達に教えられた「LR同時押し」を試した途端、

状況は一変しました。

 

悟空が気を高め、攻撃力とスピードが劇的に上昇したのです。

 

このシステムを知っているか否かで、

ゲームの難易度は天と地ほどに変わります。

  • LR同時押しを知らないプレイヤー:雑魚敵にも苦戦し、物語を進めることすら困難。
  • LR同時押しを知っているプレイヤー:圧倒的な力で敵をねじ伏せ、爽快なバトルを楽しめる。

このシステムは、説明書を読んでいなければまず気づくことができませんでした。

 

当時の私はカセットのみで購入していたため、

この罠にはまり、挫折したのです。

 

これは、ある意味で「説明書を軽視する者への戒め」だったのかもしれません。

 

迷いの森、そして蘇るトラウマ

 

LR同時押しを知り、ゲームを進められるようになった私を、

次に待ち受けていたのは、あの悪名高き「亀仙人の石探し」イベントでした。

 

複雑な森の中を進んでいき、

亀仙人が投げ込んだ石を見つけ出すというシンプルな内容ですが、

これがまた、とてつもない難易度でした。

  • 一歩進むごとに、方向を見失う
  • 何度も同じ場所をさまよい、永遠に石が見つからない
  • マップが存在しないため、自力で地図を書くしかない

 

当時の私は、このイベントで再び挫折を味わいました。

 

何時間も森をさまよい、クリアを諦めかけました。

 

しかし、またしても友達が救いの手を差し伸べてくれました。

 

友達が貸してくれたのは、手書きの迷路マップでした。

 

そのマップを頼りに進んでいくと、

あれほど難しかった迷路を、驚くほどスムーズに突破することができたのです。

 

当時の私は、マップを書くという発想すらなく、

ただただ「天才的なひらめき」だと感銘を受けたのを覚えています。

 

このイベントは、ただのゲームではありませんでした。

 

それは、プレイヤーに「自ら考え、工夫する」ことの重要性を教えてくれる、

一種の教育的な試練だったのです。

 

最強のラスボス、そして奇跡の「弱点」

 

そして、物語のクライマックス、

プレイヤーの前に立ちはだかるのは、ラスボスであるピッコロ大魔王です。

 

彼は、これまでの敵とは比べ物にならないほど強力でした。

  • 必勝パターンが通用しない:これまでのバトルでは、敵が光った瞬間に攻撃することで、確実にダメージを与えることができましたが、ピッコロ大魔王は光りません。
  • 圧倒的なスピードと攻撃力:一度攻撃を食らうと、一方的に攻撃され続け、あっという間にゲームオーバーになります。
  • 複数戦:ピッコロ大魔王は形態を変化させ、何度も戦わなければなりません。

 

私は、このラスボスに、何十回と敗北を喫しました。

 

当時の私は、ゲームを諦めかけましたが、もう一度友達に相談しました。

 

すると、友達はこう言いました。

 

「フィールドの真ん中にある、あの石を見て戦ってみて。」

 

その言葉に半信半疑で試してみた私は、驚くべき事実に気づきました。

 

ピッコロ大魔王が、フィールド中央の石に近づいた瞬間に攻撃すると、

なぜか確実に攻撃が当たるのです。

 

この「弱点」を発見した私は、

あれほど手強かったピッコロ大魔王を、

たった数回の戦闘であっさり倒すことができました。

 

これは、単なる「最強のラスボス」ではありませんでした。

 

それは、「攻略法を知っている者には、圧倒的に弱くなる」という、

非常にユニークなゲームデザインでした。

 

25年の時を超えて、このゲームが教えてくれたこと

 

25年の時を経て再びプレイした私は、当時の挫折と感動を鮮明に思い出しました。

  • LR同時押し:このゲームの隠されたシステムを知ることで、快適な冒険ができるようになる。
  • 石探し:自力でマップを書き、困難を乗り越える達成感を味わう。
  • ピッコロ大魔王戦:敵の行動パターンを見抜き、攻略法を発見する喜びを体験する。

 

これらの経験は、単なるゲームの攻略ではありませんでした。

 

それは、困難に直面したときに、

「諦めずに、考え、工夫すること」の重要性を教えてくれた、

人生の教訓のようなものでした。

 

『超悟空伝・突撃編』は、

単なるドラゴンボールのキャラクターゲームではありません。

 

それは、プレイヤーの「ゲーマーとしての資質」を試す、

挑戦的な傑作だったのです。

 

そして、今でも1000円という手頃な価格で購入できるというのは、

奇跡としか言いようがありません。

 

当時の挫折を乗り越え、最高の達成感を味わいたい方。

 

ぜひ、この機会に『超悟空伝・突撃編』をプレイしてみてください。

 

きっと、あなただけの忘れられない冒険が、再び始まるはずです。

 

 

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