レトロゲームとマンガとももクロと

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レトロゲームを題材に短編小説を書いてみた 真夏の光、CDの絆 モンスターファームがくれた友情

真夏の光、CDの絆 モンスターファームがくれた友情

 

  1. 再会の乾杯、そしてゲームの話題

古びた赤提灯が灯る居酒屋「大虎」。40歳になった健一と修一は、久しぶりの再会をビールジョッキで祝っていた。

「修一、最近どうだ? 仕事は忙しいか?」

健一が尋ねると、修一はジョッキを傾けながら答えた。

「相変わらずだよ。でも、最近、スマホゲームにハマっててさ。暇さえあればやってるんだ」

健一は少し驚いたように言った。

「お前もか。俺も最近、昔のゲームのリメイク版をやってるんだ。昔はあんなにゲームばっかりしてたのに、いつの間にか離れてたな」

その言葉に、二人の会話は自然と彼らが小学生だった頃の、あの夏休みへと引き戻された。

「考えてみれば、俺たちが初めてちゃんと仲良くなったのも、ゲームがきっかけだったよな」

修一が言うと、健一は深く頷いた。

「ああ、モンスターファームだよ。あれは、本当に熱中した」

 

  1. モンスターファームと甘酸っぱい出会い

当時、社会現象になっていた人気ゲーム「モンスターファーム」。それは、市販されている音楽CDやゲームCDをゲーム機に読み込ませることで、それぞれ異なるモンスターが生まれるという、斬新なシステムを持っていた。

「あの頃は、インターネットなんてなかったから、どのCDからレアなモンスターが生まれるか、実際に試すしかなかったんだ。だから、俺たちはお小遣いを出し合ってCDを買ったり、友達の家にCDを借りに行ったりしたよな」

二人は、あの夏休み、CDを探し求めて地域を駆け回った日々を思い出した。

「哲也の持ってたテクモのゲームがレアモンスターを出すって分かった時、近所の友達から『俺も試させてくれ』って頼まれたんだ」

「ああ、覚えてるよ。それをきっかけに、俺たち、今まで話したことなかった奴らの家にも行くようになった。CDを読み込ませてもらうために、自転車を漕いで、色々な友達の家に上がらせてもらったよな」

それは、ゲームという共通の話題を通じて、彼らの交友関係が広がっていった瞬間だった。

「そういえば、あの時、俺、初めて女の子の家にCDを借りに行ったんだよな。確か、隣のクラスの美咲…だったかな?」

健一の言葉に、修一は笑った。

「ああ、覚えてるよ。お前、緊張しまくって、顔真っ赤にしてたな」

美咲の家で、美咲のお気に入りのアイドルの色々なCDを借りた。結局、そのCDからはレアなモンスターは生まれなかったが、健一にとってそれは初めての、甘酸っぱい体験だった。

「そうだよな…」健一は懐かしそうに呟いた。「美咲、今どうしてるんだろうな」

「美咲か。あいつ、確か俺の会社の同期と結婚したんだよ。それで、子供が三人いるらしいよ」

修一の言葉に、健一は少し驚いたが、すぐに納得した。美咲の笑顔を思い出し、胸が温かくなった。

「あの頃は、CDを貸し借りするってのが、コミュニケーションのきっかけだった。自然と友達の家に上がり込んで、ゲームの話をしたり、一緒に遊んだり。オンラインで簡単に繋がれる今とは違って、顔と顔を合わせて、時間を共有することで、新しい友達が沢山できたんだ。これ全部、哲也のおかげなんだよな。」

健一の言葉に、修一は深く頷いた。

「哲也は本当に凄かった。俺たちの誰よりもモンスターファームに詳しくて、攻略本を数冊も買い込んで、育て方を徹底的に研究してた。だから、あいつのモンスターはいつも一番強かったんだ。誰に対しても分け隔てなく接する、心の優しい奴だったし、困っている友達には惜しみなく手を差し伸べる、そんな懐の深さを持っていた」

「俺たちの友情は、あの夏休みのCD探しの旅が生んだものだった」

 

  1. 亡き友との再会

居酒屋を出た二人は、亡き友人、哲也の実家へと向かった。仏間で静かに手を合わせ、線香を上げた後、哲也の母親の計らいで、二人は哲也の部屋に通された。

そこには、懐かしいゲーム機と、埃をかぶったCDラックが残されていた。

修一はあの夏、沢山の友達を歓喜させたテクモのゲームを手に取った。光にかざすと、何度も読み込んだ証である傷がついていた。

「健一、このCDは、俺たちにとってただのゲームソフトじゃない。友情の証だ」

修一の言葉に、健一の目に涙が滲んだ。

  1. 友情の証

修一は静かに頷いた。あの頃、哲也がどれほど彼らとの友情を大切にしていたかが、今になって胸に迫ってきた。

「ありがとうな、哲也…」

二人の目から涙が溢れた。あの頃、CDを探すために沢山の友達と出会い、女の子との甘酸っぱい思い出を作り、そして哲也との絆を深めた夏休み。それは、何物にも代えがたい宝物だった。

二人は哲也の家を後にし、夜空を見上げた。

「これからもよろしくな、相棒」

「ああ、もちろんさ」

二人の友情は、あの頃の思い出と、亡き友への深い感謝によって、さらに強く結ばれたのだった。

 

 

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