レトロゲームとマンガとももクロと

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ファミコンで聖者を目指す、人生の選択RPG『ウルティマ・聖者への道』

ラスボスはいなくてもいいじゃないか。ファミコンで聖者を目指す、人生の選択RPG『ウルティマ・聖者への道』

突然ですが、コンビニの募金箱に一番お金が入る時間帯って、いつか知っていますか?

 

コンビニで働いている友人に聞いた話なのですが、

それはどうやら「午後11時」だそうです。

 

パチンコ屋さんから帰ってきたお客さんが、

ハイテンションで「パチンコで2万円勝ったぜ!」と

募金箱に1000円を入れていく光景を、何度も目撃するそうです。

 

きっと、自分の幸せを誰かにおすそ分けしたい、

そんな温かい気持ちがそうさせているのかもしれません。

 

そんな、寄付をすると善人に、断ると悪人に近づいてしまうゲーム。

 

それが今回ご紹介する『ウルティマ・聖者への道』です。

 

 

前作から大幅に改善された、ファミコン版『ウルティマ』

 

1989年にポニーキャニオンから発売された『ウルティマ・聖者への道』は、

パソコンゲーム『ウルティマ4』のファミコン移植作品です。

 

前作の『恐怖のエクソダス』から、大幅に遊びやすく変更されており、

多くのプレイヤーがその進化に驚かされました。

 

このゲームの目的は、一般的なRPGとは一線を画しています。

 

巨大な悪を倒すため…ではなく、「自分が聖者になる」こと。

 

善い行いをしながら徳を積み、神殿にお参りして、全ての徳を極めていく。

 

まるで仏教の修行のような、哲学的で壮大なRPGでした。

 

ゲームシステムはオーソドックスなRPGですが、

いくつか面白い特徴があります。

 

まず、ゲーム開始時の質問によって、

主人公の職業や初期能力が大きく変わるという、ユニークなキャラクターメイキングです。

 

また、前作同様、

街の住人に問答無用で戦いを挑むこともできるので、

王様に喧嘩を売って返り討ちに合う…なんていうお約束の展開も楽しめます。

 

前作から改善された点も多く、特に嬉しかったのは以下の3点です。

  • 食料システムの廃止: 前作では、食料が尽きるとゲームオーバーというシビアなシステムでしたが、今作では廃止されました。
  • 宝箱の罠の廃止: 前作では宝箱に罠が仕掛けられており、迂闊に開けられませんでしたが、今作からは安心して開けられるようになりました。
  • 「逃げる」コマンドの追加: 前作では逃げることができませんでしたが、今作からようやく「逃げる」ことができるようになり、これだけでもゲームの評価は大幅にアップしたのではないでしょうか。

 

前作の不満点を大幅に改善し、

より多くの人が楽しめるようになった、進化の跡が随所に見られる作品です。

 

 

善人になるのは難しい、悪人になるのは簡単

 

このゲームの目的は、ただ一つ「善人になる」ことです。

 

しかし、その道は想像以上に険しいものでした。

 

ゲーム内のほとんど全ての行動に、「善」と「悪」の意味がもたらされています。

 

たとえば、街を歩いていると「どうか、お恵みを…」と助けを求める人がいます。

 

ここで募金をしてあげれば善人に、断れば悪人にステータスが動きます。

 

街中に置かれている宝箱も、

普通のRPGなら「ラッキー!」と喜ぶところですが、

このゲームでは窃盗罪となり、悪人にカウントされます。

 

アイテムを売る時も、店主が提示する半額の値段で正直に売るか、定価で売りつけるか。

 

目が見えない薬草屋さんで、お金をいくら払うか、プレイヤーに委ねられる場面も。

正直に払ってもいいし、1ゴールドだけ置いて騙してもいい。

 

プレイヤーの選択一つ一つが、「善人か、悪人か」を決定するのです。

 

モンスターと戦うと徳が上昇し、モンスターから逃げると徳が下降する。

 

自分の体力を削って献血をすると徳が上昇する。

 

「善人になるのは、こんなにも大変なのか…」と、

ゲームを通じて人生の教訓を学んだような気分になりました。

 

その反面、悪人になるのは非常に簡単です。

 

まるで急降下するように、どんどん徳が下がっていきます。

 

ゲームを効率的に進めるためには、

一旦悪人になって必要なアイテムを集めまくってから、

一切の悪事を断ち切る…というプレイスタイルが意外と有効でした。

 

目の前に宝箱があるのに、罪悪感が邪魔をして開けられない。

 

「善人って大変だな」と思わせてくれるには、十分すぎるほどのシステムです。

 

 

大人になってこそわかる、このゲームの深い面白さ

 

このゲームは、当時、格安で投げ売りされていたゲームでした。

 

RPGというジャンルは、繰り返し遊べるため安くなりにくいのですが、

このゲームは例外でした。

 

考えてみれば、小学生が「善人になってみたい!」と考えるのは、

少しばかり早すぎたのかもしれません。

 

ラスボスを倒すという明確な目標がない、

このゲームの面白さを理解するには、

少しばかり大人になる必要があったのかもしれません。

 

しかし、大人になってからプレイすると、その面白さは異常なほどでした。

 

あの頃に「クソゲー」扱いしていた人にこそ、

もう一度遊んでほしいと心から思います。

 

善人を目指すのか、ナメクジ以下のクズ人間を目指すのか。

それが、今、このゲームを買うべき理由です。

 

 

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