基本的にはバッドエンド

手塚治虫作品は、本当に素晴らしいですよね。
そして、様々な漫画家の作品が楽しめる短編集は、非常にお得な形式です。
手塚治虫の短編集があれば最高ではないか、そう思うのも当然のこと。
そして、その期待に応えるように、手塚治虫の短編集は存在します。
しかし、そこにはとんでもなく悲惨な目に遭う主人公たちが描かれていました。
今回は、そんな『SFファイブ』の感想をご紹介します。
『SFファイブ』とはどんな漫画?
『SFファイブ』は、1989年に大都社から発売されたSF短編集です。
この作品集は、
当時の「手塚治虫全集」には収録されなかったエピソードをまとめたもので、
全体的に暗めの作品が多いのが特徴です。
収録されているのは、以下の5作品と、もう1本のおまけ作品です。
- 「虎人境」: 「世界残酷ショー」という番組のディレクターが、まだ見ぬ奇人変人を求めてジャングルの奥地へ向かい、悲惨な目に遭う物語。
- 「三つのスリル」: 成績が悪くて居残り勉強をさせられていた少年が、もう一つの世界にいる落ちこぼれ少年と共に冒険に出る物語。
- 「ジャムボ」: 飛行機内で、ひと噛みで死に至る巨大な毒蜘蛛が逃げ出したことで、乗客たちの理性が崩壊していく危険な状況を描いた物語。
- 「月世界の人間」: ドラマ作家が、科学者の友人と月旅行に行き、とんでもなく悲惨な目に遭う物語。
- 「黄色魔境」: 戦時中のドイツ兵とアメリカ兵が、ひょんなことから国籍不明の少年に遺跡に連れて行かれ、悲惨な目に遭う物語。
「あの時、あんなことをしなければ、幸せに暮らせたのに…」という展開のオンパレードが、この作品集の魅力となっています。
悲惨な目に遭うのには理由がある
この漫画を読んでいて常に感じるのは、
「なぜそんなことをしてしまったのか…」という登場人物たちへの疑問です。
さすが、「手塚治虫全集」に収録されなかった作品だけあり、
精神的に来る話ばかりです。
もしこれが他の漫画の主人公だったら、
「何も悪いことをしていないのに、かわいそうだ」と思うかもしれません。
しかし、『SFファイブ』の主人公たちに関しては、
「あなたがこんなことをしなければ、今でも平和な世界だったのに」という、
自業自得の展開がほとんどです。
「虎人境」の主人公は、
平凡なネタでは視聴率が取れないという欲望に駆られ、
人間の道を外した結果、悲惨な目に遭います。
「月世界の人間」の主人公も、
「何か面白いことはないか」という興味本位が、悲惨な結果を招く代償となります。
確かに、大きなリスクの見返りが大きいからこそ、
人は理性を超えて行動できるのでしょうが、
『SFファイブ』の主人公たちは、どこか狂っている人々の代表選手のようです。
手塚治虫のダークな側面をぎゅっと凝縮したような、
そんな漫画こそがこの『SFファイブ』なのかもしれません。
まとめ
なぜ読んでほしいのか?
漫画の神様が描く、最もひどい結末に触れてみませんか。人間の闇を描いた作品を楽しんでください。
何がそんなに面白いのか?
この漫画の魅力は、
- 手塚治虫作品の中でも特にダークな雰囲気
- 1冊でも十分満足できる濃い内容
- 最初から最後までハズレがない短編集
逆にマイナスポイントは、読んだ後、夜中にうなされるほど精神的なダメージが大きいことです。
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