レトロゲームとマンガとももクロと

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重力に苦しむガンダム、そして二度死ぬガルマ!PS2初代『機動戦士ガンダム』の異常な世界

重力に苦しむガンダム、そして二度死ぬガルマ!PS2初代『機動戦士ガンダム』の異常な世界

あなたは、ファーストガンダムのゲームと聞いて、何を想像するでしょうか?

 

宇宙でビームライフルを乱射し、

次々と敵をなぎ倒すアムロ・レイの姿でしょうか。

 

しかし、2000年にPS2初のガンダムゲームとして発売された『機動戦士ガンダム』は、

そんなあなたの常識を覆します。

 

今作は、一年戦争の「地球編」に特化することで、

これまでのガンダムゲームでは描かれなかった、

あまりにもリアルで、そして奇妙な世界を作り上げました。

 

 

PS2が生み出した「リアル」なガンダム体験

 

2000年、次世代機PS2の登場は、ゲーム業界に革命をもたらしました。

 

当時、ガンダムゲームは宇宙での戦いが主流で、

3D空間を縦横無尽に飛び回ることが醍醐味でした。

 

しかし、このPS2初のガンダムゲームは、

あえて「地球」に舞台を限定するという、大胆な決断を下しました。

 

その結果、これまでのゲームでは感じられなかった「重力」が、

ガンダムという存在にのしかかります。

 

少しブーストしただけでオーバーヒートを起こし、

思うように敵を追うことすら困難になります。

 

それは、単なるゲームの操作性ではなく、

開発者がプレイヤーに「モビルスーツを操縦するとは、こういうことだ」という

リアルな苦労を体験させたかったからでしょう。

 

敵の攻撃も容赦なく、一発一発のダメージが非常に大きい。

 

油断すれば、あっという間にガンダムはボロボロにされます。

 

しかも、やられてしまうとステージの最初からやり直し。

 

この緊張感は、単なるキャラクターゲームとは一線を画しています。

 

このゲームは、プレイヤーに

「リアルな一年戦争」を体験させることを目的として作られているのです。

 

 

ガルマと2回、ランバ・ラルと2回戦う「異例のストーリー構成」

 

本作が最も異質なのは、そのストーリー構成にあります。

 

従来のガンダムゲームでは、

一年戦争の名場面をダイジェストで追体験するのが一般的でした。

 

ガルマを倒したら次はランバ・ラル、そして黒い三連星…と、

名バトルを厳選して進んでいきます。

 

しかし、本作は地球編に特化しているため、

これまでカットされてきたエピソードが濃密に描かれます

 

例えば、通常は一度で終わるはずのガルマとの戦いが2回あります。

 

一度目は単なる前哨戦。

 

アムロは慣れないガンダムで苦戦しながらも、

ガルマの部隊を撃退します。

 

そして二度目、お馴染みの名台詞「坊やだからさ」が飛び出すあのシーンで、

再びガルマとの最終決戦を迎えます。

 

同様に、ランバ・ラル隊との戦闘も、

偵察部隊の襲撃と、お馴染みのグフとの最終決戦の2回に分かれています。

 

これにより、プレイヤーはランバ・ラルの強さや、彼との因縁が深まっていく過程を、

より感情移入しながら体験できます。

 

アムロがホワイトベースから無断でガンダムを持ち出し、

ジオン軍の基地をめちゃくちゃにするシーンも、

独立したステージとして用意されています。

 

「アムロってこんなにワガママだったんだな…」と、

原作ファンも思わずニヤリとしてしまうような、一味違った体験が待っています。

 

 

ラスボスが「ゾック」?あまりにも地味すぎる最終決戦

 

このゲームのストーリーは、

ホワイトベースが地球を脱出して宇宙へ向かうまでで終わります。

 

そうなると、ゲームの最後を飾る「ラスボス」は誰になるのか?

 

地球編の最強の敵は、シャア専用ズゴックでしょう。

 

当然、プレイヤーはシャアとの熱い一騎打ちを期待します。

 

しかし、シャアを倒した後に現れたのは、まさかのゾック

 

シャアを逃がすための「捨て駒」として現れるゾックは、

その見た目とは裏腹に、驚くほど弱い。

 

戦力としても、知名度としても、あまりにも地味すぎるラスボスです。

 

しかし、この「地味さ」こそが、

このゲームがリアルを追求した証とも言えるでしょう。

 

ド派手な巨大モビルアーマーではなく、

ストーリー上、そこで戦うべき相手と戦う。

 

ゾックとの戦闘は、シャアを逃がすための時間稼ぎであり、

それ自体に大きなカタルシスはありません。

 

しかし、この「地味なラスボス」の存在が、

プレイヤーに「一年戦争は、名もなき兵士たちの命の積み重ねで成り立っていた」という、原作が持つ重厚なテーマを再認識させてくれるのです。

 

 

伝説の3部作を遊び尽くせ!

 

この『機動戦士ガンダム』は、

その後のPS2ガンダムゲームの礎を築いた、いわば「一年戦争3部作」の始まりです。

  1. 『機動戦士ガンダム』:アムロ視点での地球編を体験。
  2. 『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』:ジオン軍の視点で、地球連邦軍の圧倒的な戦力に立ち向かう、超硬派なシミュレーション。
  3. 『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』:再びアムロとなり、一年戦争のクライマックスから終結までを追体験する、爽快なアクションゲーム。

 

この3作を順番にプレイすることで、

あなたは一年戦争の全貌を、多角的な視点から深く理解できるはずです。

 

それぞれのゲームが異なるジャンルで描かれているため、

飽きることなく、物語の奥深さに触れることができるでしょう。

 

たった250円という値段で、

今までのガンダムゲームでは決して味わうことのできなかった、

硬派で、そして奇妙な世界を体験してみませんか?

 

 

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