音楽最高…難易度最悪!?トップクラスの「感動演出」を体験せよ「迷宮組曲 ミロンの大冒険」
レトロゲームは、時に私たちの日々の生活にふと顔を出すことがあります。
例えば、大きな蜂を見たとき、
かつて「高橋名人」でお馴染みだった
「ハドソン」というゲームメーカーを思い出す人もいるかもしれません。
惜しまれながらも姿を消したハドソンですが、
彼らが世に送り出した名作の輝きは、今も色褪せることはありません。
そんなハドソンが1986年に世に送り出したファミコン用アクションゲーム、
それが「迷宮組曲 ミロンの大冒険」です。
想像もつかない、ゲーム音楽の常識を打ち破る「伝説の演出」が、あなたを待っています。
「迷宮組曲」はどんなゲーム?
物語の舞台は、魔人マハリトによって連れ去られた王女エルシラを救い出すため、
主人公ミロンが不気味な迷宮ガーランド城へと挑む、壮大な冒険活劇です。
ゲームシステムは、
オーソドックスなアクションゲームに、
お金を稼いでアイテムを購入していくRPG的な要素が見事に融合しています。
まるで「ゼルダの伝説」や「妖怪道中記」のように、
プレイヤーは迷宮を探索し、隠されたアイテムを見つけ出すことで、
ミロンがどんどんたくましく成長していく喜びを味わえます。
最初は頼りないミロンですが、
アイテムを手に入れるごとに、ジャンプ台を利用できるようになったり、
炎に当たっても平気になったり、体が小さくなって狭い場所に入れるようになったり、
攻撃力が倍増したりと、できることが増えていくのが最高に楽しいんです。
「あの場所を突破するにはこのアイテムが必要だ」
「ここをクリアするにはあのアイテムが不可欠」といった、
アイテム一つ一つに意味があり、謎解きのような面白さがあります。
迷宮の外観からはステージの様子が想像できず、
窓やドアから入るまでどんなステージなのかがわからないのも、
探究心をくすぐるポイント。
そして、多くのプレイヤーがトラウマを抱えたであろう、
真っ暗な「井戸」の存在も忘れてはなりません。
映画「リング」の貞子よりもはるか前から、
当時の子供たちを恐怖のどん底に突き落としてきました。
だからこそ、暗闇を照らす「ランプ」を発見した時の感動はひとしお。
「これで井戸を探索できる!」という喜びは、まさに冒険の醍醐味です。
「迷宮組曲」の真髄!ゲーム史上最高の「ボーナスステージ」演出
「迷宮組曲」では、冒険を進める上で「お金」が非常に重要になります。
強力なアイテムや、ミロンを強化するためのアイテムは、
すべてお金でしか手に入りません。
しかし、ステージに落ちているお金だけでは、
とても足りない…そんなシビアなバランスの中で、一服の清涼剤となるのが、
お金を稼げる「ボーナスステージ」です。
このボーナスステージは、迷宮内の至る所に隠されており、
自力で見つけるのは至難の業。
しかし、それに見合うだけの価値がそこにはありました。
そして、ここからが「迷宮組曲」がゲーム史に名を刻んだ、最高の演出です。
実はこのボーナスステージ、
見つけるごとにステージの「音楽が徐々に進化していく」という
驚くべき仕掛けが施されているのです。
最初のボーナスステージの音楽は、シンプルな太鼓の音だけ。
メロディーすらありません。
次のボーナスステージでも大きな変化はなく、
多くのプレイヤーはここで気づかないかもしれません。
しかし、さらに次のボーナスステージを見つけると、
微かに音楽に変化が訪れます。
「あれ?さっきと音が違うかも?」と、耳を澄ますようになるでしょう。
そして、そこからが劇的な変化の始まりです!
徐々にメロディーが加わり始め、楽器が一つずつ増えていくのです。
最初は太鼓だけのシンプルなリズムに、
シンバルが加わり、チューバ、オカリナ、ハープ、トランペット…と、
まるで魔法にかかったかのように音が豪華になっていきます。
そして、ついに最後のバイオリンが揃った瞬間、
それまで静かだったボーナスステージのBGMが、
フルオーケストラによる壮大な「組曲」へと昇華するのです!
その瞬間の感動は、まさに鳥肌もの。
「これがファミコンの音楽なのか!?まるでクラシックコンサートを聴いているようだ!!」と、誰もがその圧倒的なクオリティに度肝を抜かれることでしょう。
これは、ボーナスステージを「発見する喜び」と
「音楽が完成していく感動」を融合させた、ゲーム史に残る革新的な演出でした。
手塚治虫の漫画『ワンダースリー』のラスト20ページや、
ライブでの感動的なクライマックスにも匹敵する、この最高の体験を求めて、
多くのプレイヤーが何度も、何十回も、飽きることなく繰り返しプレイしました。
最高の演出と「最悪の難易度」
しかし、こんなにも素晴らしいゲームでありながら、
多くの人がこの伝説の演出を知らないのは、その「異常な難易度」に理由があります。
この「迷宮組曲」を一言で表すなら、
「攻略本が絶対に必要な、鬼のような難易度」でしょう。
せっかくゲーム史上トップクラスの演出がありながら、
それを体験するためには、
自力でたどり着くのがほぼ不可能なほど隠された
ボーナスステージを見つける必要がありました。
当時のレトロゲームは、攻略本を売るために、
あえてプレイヤーが自力でクリアできないような
理不尽な難易度や隠し要素を盛り込むことが多々ありました。
しかし、これほどの芸術的な演出があったのなら、
もう少し多くの子供たちが、自力でその感動にたどり着けるようにしてほしかったと、
今でも思います。
あなたも「迷宮組曲」を体験しよう!
ハドソンは、ゲーム音楽にも非常に力を入れているメーカーでした。
彼らの作品の中には、「ヘクター'87」や「ボンバーキング」など、
ゲーム音楽が特にカッコいい作品が数多く存在します。
その中でも「迷宮組曲」は、まさにゲーム音楽の最高峰と言えるでしょう。
「ゲームセンターCX」で「迷宮組曲」がプレイされた際、
残念ながらボーナスステージの音楽演出が完全にスルーされていました。
それほど、自力で見つけるのが難しい演出なのです。
しかし、だからこそ、この感動をあなた自身で体験してほしいのです。
ぜひこの機会に「ゲーム音楽の最高峰」と称される
「迷宮組曲」の伝説の演出を体験してみてはいかがでしょうか?
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