本を作るのは、こんなに大変で、こんなに面白い！久世番子が贈る究極のエッセイ漫画『番線・本にまつわるエトセトラ』は、読書人生を変える一冊だ。

「最近、本を読んでないな…」

現代社会でそう感じている人は、少なくないでしょう。

スマートフォンや動画、ゲームなど、

私たちの時間を奪う誘惑は、10年前と比べ物になりません。

しかし、もしあなたが、心の底から

「もう一度、面白い本を読みたい」と思えるきっかけを探しているなら、

この一冊に出会うべきです。

2008年に新書館から発売された、

久世番子さんのエッセイ漫画『番線・本にまつわるエトセトラ』は、

本を作る人々の情熱と、読書にまつわる「あるある」を、

ユーモアたっぷりに描いた傑作です。

私は、この漫画を読んで、

かつて夢中になっていた読書という行為を、もう一度見つめ直しました。

そして、本を読んでいる時間が、

どれほどかけがえのない「幸せな時間」であるかを再認識したのです。

これは、単なるエッセイ漫画ではありません。

それは、本という存在への深い愛情に満ち溢れ、

読者の人生を豊かにしてくれる、究極の一冊なのです。

今回は、この漫画がなぜ、私たちを再び読書の世界へ誘うのか、

その全てを徹底的に解説していきます。

知的好奇心を刺激する、最高の「社会科見学」

この漫画の最大の魅力は、

普段私たちが目にすることのない「本が作られる現場」を、

面白おかしく、しかし真摯にレポートしている点にあります。

本の病院：破れたり汚れたりした本を修復する専門家「本の病院」の取材。その緻密な作業と、本への深い愛情に、私たちは感動します。
写植屋さん：漫画の「吹き出し」を専門に作る「写植屋さん」の取材。手書きの文字を、いかにしてデジタルデータに落とし込んでいるのか。職人たちの知られざる努力が描かれています。
国立国会図書館への寄贈：自分の漫画を、日本の知の殿堂である「国立国会図書館」に寄贈しに行くエピソード。その厳粛さと、本が後世に残されていくことの尊さを、改めて感じさせられます。

これらのエピソードは、まるで最高の「社会科見学」のようです。

私たちは、普段当たり前のように手にしている本が、

どれほど多くの人々の情熱と、

緻密な作業によって作られているのかを知ることができます。

それは、本という存在への敬意を育み、

読書という行為を、より一層特別なものへと変えてくれるでしょう。

「あるある」の洪水！本好きの心をくすぐる究極のギャグ漫画

この漫画は、社会科見学パートだけでなく、

本にまつわる「共感の嵐」が詰まった、最高のギャグ漫画でもあります。

教科書がツンデレブームを作った説：教科書で、海外の人物を翻訳されたカタカナ名で覚えることの難しさを描く中で、「ツンデレブームは文部省の陰謀ではないか？」という、不思議な着眼点を提示します。
「外国人名あるある」：海外の小説を読んでいて、カタカナの名前が多すぎて、誰が誰だか分からなくなる…という、本好きなら誰もが経験する「あるある」を、面白おかしく描いています。
「雑誌の履歴書」：自分がこれまで読んでいた雑誌の歴史を振り返り、自身の成長を辿るという企画。これは、多くの読者に「私もやってみたい！」と思わせるでしょう。

これらのエピソードは、読者の心を鷲掴みにします。

「これ、私も思ってた！」

「なんでこんなに自分の気持ちが分かっているんだ！」

この漫画は、本に対する「あるある」を、

最高のユーモアで表現しています。

そのおかげで、私たちは「自分だけじゃないんだ」という安心感を得ると同時に、

読書という趣味を、より一層愛おしく感じることができます。

読書という行為は、なぜこんなにも素晴らしいのか？

この漫画は、私たちに

「読書という行為は、なぜこんなにも素晴らしいのか？」という問いを投げかけ、

そしてその答えを教えてくれます。