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レトロゲームとマンガとももクロと

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カムイ伝とはどんな漫画 読んだら10年後にもう一度読み返して下さい

あなたはどちらに感情移入するのでしょうか

 

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[自分の置かれている状況で、漫画の結末が変わる超大作] 参考価格4200円

[カムイ伝 白土三平 全21巻]

1967年発売 ジャンル 歴史漫画

 

 

凄い作品というのは、

何かこう、最初の雰囲気から既に、

他の作品とは圧倒的に違う様な気がします。

 

作者の想いと言いますか、

作者の執念が、全てその作品に集約されている様な、

物凄いパワーを感じることが出来ますよね。

 

 

そんな今回の、

圧倒的なパワーを感じることが出来る カムイ伝の感想です。

 

 

 

カムイ伝ってどんな漫画

 

このカムイ伝ですが、

1964年から、月刊漫画ガロで連載していた作品で、

今もなお、完結していないという、

ストーリーの深さに定評のある、歴史漫画でした。

 

漫画の物語は、

大名、武士、農民、非人、といった当時の差別的な階級社会を、

長年に渡って取り上げた作品で、

管理するもの、管理されるもの、

管理されるものに管理されるもの、

そんな、生まれた場所によって、人生が決まってしまうという、

今の時代に通ずる様な、感覚を思わせてくれる問題作だったと思います。

 

 

 

カムイ伝との出会い

 

私がカムイ伝を購入したきっかけは、

学生時代に忍者漫画にはまって、

ライトな感覚の忍者漫画かと思って購入したら、

まさかの、ヘビー級のストーリーの重さだったという、

とんでもないファーストインパクトだったのを、読み返して思い出しましたね。

 

しかし、まっさらだった学生の頃に読んだからこそ、

今、改めて真剣に読み返して、

当時は感じることが出来なかった、些細な感覚の違いに気づけたのですがね。

 

 

 

カムイ伝の感想

[あなたはどちらの立場ですか?]

 

このカムイ伝を最初に読んだ時の感想は、

「とてつもなく暗くて、どんよりとした漫画だな…」こんな感想だったと思います。

 

なにせ、ライトな忍者漫画を想像しての購入でしたから、

「いったい、どんな忍者漫画を読めるのだろうか」なんて、

わくわく感で一杯でしたね。

 

しかし、ふたを開けてみたら、

差別問題という、今でも続く世界的な問題の漫画でしたからね…。

 

 

ただ、せっかく購入したのですから、

重い漫画だからといって、読まない理由にはなりませんので、

さっそく読み進めていくと、これが面白い!!

 

確かに、重い漫画なのですが、

主人公のカムイが、スーパーヒーロー的な存在で居てくれるおかげで、

比較的落ち込まずに、漫画を読んで行く事が出来るんですよ。

 

主人公のカムイが、

「いつかは階級社会を失くしたいという」気持ちを、

最初から表明してくれているので、

強引にですが、ヒーロー漫画的な解釈で読んで行く事も出来ました。

 

夢を持つことすら禁止されている、

最も身分が低いカムイが、

「いつか、こんな世の中を変えてやる」と決意する、熱い展開には、

当時の、リアルタイムの読者のみならず、

自分にもグッとくる物がありましたね…。

 

 

というのが、当時の私の感想だったと思います。

 

 

しかし、今読み返して気づいたんです。

「10年後に読み返した時に、感情移入出来るのだろうか…」と。

「というか、どちらに感情移入するのだろうか…」と。

 

 

この漫画の凄いところは、

自分の立場によって、物語の結末が変わる所だと思われます。

 

学生の頃というのは、社会を全く知りませんでした。

あえて、知ろうとも思わなかったのかも知れません…。

 

しかし、今の自分は社会人です。

 

管理される側でありながら、

後輩を管理しなければいけない立場でもあります。

 

漫画を読んだ時は、

一方的に管理される側でしかなかったので、

カムイと同じ立場に共感できて、漫画を読めたのかも知れません。

 

しかし、

「今読んだ時…あるいは10年後に読んだ時、どう思っているのか?」

 

「いったい誰に感情移入しているのか?」

 

「主人公のカムイなのか、敵の大名なのか、はたして誰に…。」

こう思ってしまった訳ですね。

 

今は完全に、カムイの立場で読むことが出来ています。

 

そして、これからも、変わることは無いと思われます。

しかし、時間が経つに連れて、

もしかしたら、自分の考え方は変わって行くのかも知れませんね…。

 

 

なので、カムイ伝を全て読み終わった後に、

自分がどう思っているのかを、メモに残して置くのも良いのかも知れません。

 

「この時の自分は、カムイ伝を読んで、こう思っていたんだな…」という、

自分なりの記録を残していくのが、

この漫画、カムイ伝を楽しむ為の、最良の方法なのかも知れませんね。

 

 

デビルマンという漫画が、

時間の経過によって結末が変わったように、

このカムイ伝も、時間の経過によって結末が変わる素晴らしい作品でしたね。

 

 

 

カムイ伝のまとめ

 

このカムイ伝を読むにあたり、注意して欲しいのは、

是非とも、時間に余裕のある時に体験してみて下さい。

 

カムイ伝という漫画の性質上、

とてつもなく読むのに、時間が掛かると思われます。

 

そして、読んだ後は、物凄く頭が疲れます。

 

 

しかし、そのくらい濃厚で良かったと思います。

かなりの時間を犠牲にしてでも、真剣に読んで欲しい漫画。

 

名作漫画カムイ伝の感想です。