激ムズからマイルドへ:ドラゴンボール3部作の集大成『悟空伝』

ドラゴンボールのゲームは、
この『悟空伝』を境に大きく難易度が変わりました。
1989年にバンダイから発売されたファミコン用アドベンチャーRPG、
『ドラゴンボール3・悟空伝』
この作品は、ファミコン時代のドラゴンボールゲーム3部作の完結編であり、
初期ドラゴンボールのストーリーを総まとめにした集大成です。
悟空伝:原点回帰と集大成
前作『神龍の謎』(激ムズアクションゲーム)と
『大魔王復活』(激ムズアドベンチャーRPG)に続く本作は、
「初めからドラゴンボールを楽しむ」という衝撃的な展開で始まります。
パッケージには大人の悟空とマジュニアが描かれているにもかかわらず、
ゲームは子供時代の悟空からスタートします。
これは、『神龍の謎』と『大魔王復活』のストーリーに加え、
さらに大人編までを網羅した、まさにドラゴンボールゲームの豪華な完結編なのです。
システムは『大魔王復活』と同じく、
コマンド選択式のアドベンチャーパートと、
カードを使用したRPGパートに分かれています。
アドベンチャーとRPGが融合した、当時としては非常に贅沢なゲーム体験を提供しました。
自分好みの悟空を育成:RPGとしての進化
『悟空伝』で新しく導入されたシステムは、
レベルアップ時に好きなパラメーターを伸ばせるという、
まるで『女神転生』のような育成システムです。
パワー、タフネス、スピード、テクニックといったパラメーターを自由に割り振ることで、プレイヤーは自分だけの悟空を育てられます。
このシステムのおかげで、
ゲームは繰り返しプレイしたくなるほど魅力的になりました。
ただし、本作には「レベルに制限がかかる」という
ユニークなシステムも搭載されていました。
特定のイベントを進めなければレベル上限が上がらないため、
プレイヤーは「悟空を強くしたいのに、イベントを進めなければならない」という
嬉しいジレンマに陥ります。
「レベル上げが楽しいゲームにハズレはない」という言葉通り、
『悟空伝』は遊び応えのある作品でした。
難易度の変遷:マイルドな難しさ
『悟空伝』は、前作『大魔王復活』に比べると難易度がかなりマイルドになりました。
『大魔王復活』が理不尽な謎解きでプレイヤーを苦しめたのに対し、
『悟空伝』のアドベンチャーパートは比較的簡単になりました。
謎解き要素で苦労するよりも、
広大な迷宮のマッピングに苦労する、といった感じです。
ゲームの割合は「アドベンチャー3:RPG7」といった印象です。
しかし、RPGパートの難易度は依然として高く、
パスワードをメモしながら進める必要があります。
自分好みに育成できる分、
パラメーターの振り方を間違えると、とんでもなく貧弱な悟空になってしまい、
苦戦を強いられることもあります。
それでも、前作のような即死する理不尽な選択肢が減ったことで、
全体的に遊びやすくなったのは間違いありません。
ドラゴンボールのストーリーを追体験
『悟空伝』の最大の魅力は、
原作の初期ストーリーを最初から体験できる点です。
アクションゲームだった『神龍の謎』で抜け落ちていたストーリー部分を、
アドベンチャーゲームとして一から楽しめます。
ドラゴンボール探し、亀仙人への弟子入り、クリリンとの出会いなど、
懐かしいエピソードを追体験できるのは、ファンにとって感無量でしょう。
ストーリーが大幅に端折られている部分もありますが、
子供時代から大人になるまでの物語を凝縮して描いた、素晴らしい作品です。
激ムズ3部作の完結と世代交代
『神龍の謎』はファミコン屈指の激ムズアクション。
『大魔王復活』はトラウマ必至の理不尽アドベンチャー。
『悟空伝』は前2作よりはマイルドだが、ファミコンの中では激ムズ。
『悟空伝』以降のドラゴンボールゲーム(『ドラゴンボールZ』シリーズなど)は、
難易度がぐっと下がり、
「ドラゴンボールのゲームはヌルゲー」という認識が広まりました。
この『悟空伝』は、
子供たちの心に多大なインパクトを残した
「ドラゴンボール激ムズ3部作」の完結編です。
緊張感のある戦闘、そして自分だけの悟空を育成する楽しみが詰まっています。
ちなみに、残念ながら『悟空伝』は収録されていませんが、
前二作と『強襲サイヤ人』が遊べる3DSの『Jレジェンド列伝』もありますので、
そちらもどうぞ。
ドラゴンボール激ムズ3部作、堂々完結。
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