レトロゲームとマンガとももクロと

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『スーパーぐっすんおよよ』は、なぜステージにゴールがあるのに、テトリスをさせられるのか

『スーパーぐっすんおよよ』は、なぜステージにゴールがあるのに、テトリスをさせられるのか

大福にイチゴを足せばイチゴ大福に。

 

焼きそばにご飯を足せばそばめしに。

 

そして、マリオにレースゲームを足せばマリオカートが生まれる。

 

異なるジャンルや要素を組み合わせることで、

誰もが熱狂する新たな名作が生まれることがあります。

 

しかし、パズルゲームの歴史において、

これほどまでにクレイジーな組み合わせがあったでしょうか。

 

今回は、テトリスとレミングスという、まったく異なる2つのゲームが融合した、

隠れた名作パズルゲーム、『スーパーぐっすんおよよ』の魅力に迫ります。

 

 

「落ち物パズル」と「誘導アクション」の奇跡的な融合

 

『スーパーぐっすんおよよ』は、

1995年にバンプレストからスーパーファミコン向けに発売された、

アクションパズルゲームです。

 

このゲームの主人公は、

トレジャーハンターの「ぐっすん」。

 

彼の目的は、迷宮の奥深くにある財宝を、

ヒロインの「えみりちゃん」にプレゼントすること。

 

そのために、ぐっすんは迷宮の様々なステージを、ちょこまかと動き回ります。

 

プレイヤーの役割は、

このぐっすんを、ステージのどこかにある「ゴール」へと導くこと。

 

しかし、このゲームのユニークな点は、その誘導方法にあります。

 

プレイヤーはぐっすんを直接操作するのではなく、

画面上部から落ちてくる様々な形のブロックを操作します。

 

そう、まるで『テトリス』のように。

 

ステージには、ぐっすんが飛び越えられない穴ぼこや、

触れたら即死する針、そして行く手を阻む敵キャラクターが多数存在します。

 

ぐっすんは、これらの障害物を自力で乗り越えることはできません。

 

そこでプレイヤーは、

落ちてくるブロックを巧みに積み上げ、

ぐっすんが安全に渡れる「橋」を作ってあげなければなりません。

 

ぐっすんはブロック1つ分の高さまでしか登ることができないため、

ただ高く積み上げればいいわけではなく、

ブロックを階段状につなげていく必要があります。

 

さらに、ステージの下からは常に水が上昇してくるため、

のんびりしている暇はありません。

 

急いでブロックを積み上げなければならない一方で、

急ぎすぎるとぐっすんが登れない段差を作ってしまい、失敗してしまいます。

 

この、『テトリス』の落ち物パズルと、

『レミングス』のようなキャラクター誘導の要素が見事に融合したシステムこそが、

『スーパーぐっすんおよよ』を唯一無二の存在にしているのです。

 

 

攻略法が存在しない!? プレイヤーの頭脳が試される無限の挑戦

 

『スーパーぐっすんおよよ』をクリアするのに必要な時間は、

一般的なゲームと比べるとかなり長めです。

 

筆者の場合、クリアまでに10時間以上を要しました。

 

なぜなら、このゲームには明確な「攻略法」が存在しないからです。

 

その理由は、落ちてくるブロックのパターンがランダムに決まるためです。

 

一度クリアしたステージでも、

次にもう一度プレイすると、落ちてくるブロックの形や順番がまったく異なります。

 

そのため、一度の成功体験が、次の挑戦に直結するとは限りません。

 

プレイヤーは、毎回異なる状況に応じて、

臨機応変にブロックを積み上げていくテクニックが求められます。

 

ステージが進むにつれて、難易度は劇的に上昇し、

プレイヤーは常に新しいパズルに直面することになります。

 

しかし、このゲームはただランダムなブロックを積み上げるだけではありません。

 

10ステージに1ステージの割合で

、落ちてくるブロックのパターンが完全に固定された

「詰め将棋」のようなステージが存在します。

  • ブロックが1つしか落ちてこないステージ。
  • 積み上げたブロックを破壊する「爆弾」しか落ちてこないステージ。
  • ぐっすんが登りやすい階段状のブロックしか落ちてこないステージ。

 

これらのステージは、

テクニックだけではクリアできません。

 

プレイヤーは、落ちてくるブロックの種類と順番を完璧に把握し、

パズルの答えを見つけ出すための「頭脳」が必要とされます。

 

たった一つのステージをクリアするために、

1時間や2時間を費やすこともザラでした。

 

しかし、その苦悩の末、ついに正解を見つけ出し、

ぐっすんをゴールに導けた時の快感は、何物にも代えがたいものでした。

 

「どうやったらこのステージをクリアできるのか?」

悩んだ時間が長ければ長いほど、

「諦めないでよかった!」という感動は大きくなります。

 

このゲームには、パズルゲームの本質である

「苦労しながら考える楽しさ」が、これでもかとばかりに詰まっているのです。

 

 

パスワード機能なし! クリアするまで終わらない熱い挑戦

 

『スーパーぐっすんおよよ』は、

隠しステージを含めれば全60ステージという圧倒的なボリュームを誇ります。

 

そして、このゲームには、

進行状況を保存する「パスワード」や「セーブ機能」がありません。

 

一度ゲームを始めたら、クリアするまで電源を切ることができない、

まさに「一発勝負」の熱いゲームでした。

 

クリアするまで数時間かかるステージを、

休憩なしでプレイし続けなければならない。

 

これは、現代のゲームでは考えられないことですが、

当時のゲーマーにとっては当たり前のことでした。

 

この「クリアするまで辞められない」という状況が、

プレイヤーの集中力を最大限に高め、ゲームへの没入感を深めてくれました。

 

ぐっすんをゴールまで導くというシンプルな目標のために、

プレイヤーはブロックを積み上げ、パズルの謎を解き、そして時には何度も失敗を繰り返す。

 

そのすべてが、このゲームの忘れられない体験を構成しているのです。

 

 

なぜ、今このゲームをプレイするべきなのか?

 

『スーパーぐっすんおよよ』は、

テトリスとレミングスという、異なるジャンルのゲームを結婚させ、

その面白さを最大限に引き出すことに成功した、

パズルゲームの歴史における革命的な作品です。

 

そして、その奥深いゲーム性は、今プレイしてもまったく色褪せません。

 

バーチャルコンソールでも配信されているので、

スーパーファミコン本体を引っ張り出す必要はありません。

 

ぜひ一度この考える楽しさを体験してみてほしいと思います。

  • テトリスだけでも面白い。
  • レミングスだけでも面白い。
  • その二つが組み合わさって、こんなにも面白いゲームが生まれた。

 

この奇跡を、あなたの手で体験してみませんか?

 

そして、たった一つのステージをクリアするために、何時間も頭を悩ませる。

そんな贅沢な時間を手に入れてみませんか?

 

それが、今すぐ『スーパーぐっすんおよよ』を買う理由です。

 

 

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