『ダブルキャスト』並のトラウマを、お楽しみください。
普通に遊んでも50時間以上。サービス精神ありすぎでしょ!
私が本格的にアニメを見るようになったのは、ここ数年のことです。
それまではゲームや漫画は好きでしたが、アニメはほとんど見ていませんでした。
なぜかというと、DVDをレンタルするお金がなかったからです。
シリーズを全部見ようと思ったら、最低でも2,500円はかかります。
そのお金があれば、ゲームや漫画を買った方がお得だと思っていたからです。
しかし、ある時、友人から
「『ひぐらしのなく頃に』というアニメが面白いよ」と勧められました。
試しにレンタルしてみたら、そこからアニメの世界にどっぷりハマってしまいました。
今回は、そんな私の人生を変えてしまった作品、
『ひぐらしのなく頃に 祭 カケラ遊び』の感想をお届けします。
平穏な村を襲う、惨劇の連鎖
『ひぐらしのなく頃に 祭 カケラ遊び』は、
2007年にアルケミストから発売されたプレイステーション2用のサウンドノベルです。
もともとはパソコンゲームとして人気を博した作品ですが、
家庭用ゲーム機でも楽しめるように移植されました。
ゲームの目的は、
とある村に引っ越してきた中学生の主人公が、
年に一度のお祭りをきっかけに、村全体がおかしな方向へ進んでいく中で、
最後まで生き残ることができるのか…というものです。
ゲームシステムは、
オーソドックスなサウンドノベルで、
選んだ選択肢によってその後の展開が大きく変わります。
メッセージのオートスキップ、シナリオのフローチャート、用語説明など、
現代のサウンドノベルと比べても遜色のない、プレイヤーに優しいシステムが満載です。
物語の展開が本当に素晴らしい
物語は、主人公が引っ越してきた小さな村で、
4人の女の子と仲良くなり、楽しい学園生活を送るという、
まるでギャルゲーのような展開から始まります。
しかし、年に一度のお祭りを境に、物語は一変します。
村には、
「お祭りの晩には1人が死んで、1人が行方不明になる」という
不気味な噂がありました。
そして、死んだ人が増えるごとに、行方不明になる人も増えていく…。
この設定が本当に秀逸で、
プレイヤーは事件の謎を解き明かしながら、
どうやって生き延びていくのかを探し求めなければなりません。
推理アドベンチャーとしての面白さと、
サバイバルアドベンチャーとしてのスリル、その両方を楽しむことができます。
ヒロインが狂っていく、衝撃のストーリー
私が『ひぐらしのなく頃に』に惹かれた最大の理由は、
ヒロインが犯人になるからです。
しかも、1人のヒロインが犯人になるのではなく、
それぞれのルートごとに犯人が変わるのです。
こんなに狂ったゲームは、他に類を見ません。
主人公の何気ない選択肢が、
ヒロインの心に小さなダメージを与え、
それがきっかけで世界全体が大きく変わっていきます。
ほんの数日前まで楽しく遊んでいたヒロインが、
数日後には精神が崩壊してしまう。
このイカれたストーリーを聞いた瞬間、私はすぐにDVDをレンタルしに行きました。
ゲームの流れは、
そのバッドエンドを回避するために、何度も時間を遡り、
ハッピーエンドを目指すというタイムリープ的なものです。
「この選択肢が間違っていたのか?」
「この選択肢を選んだらヒロインが可哀そうだから、こっちを選ぼうか…」と、
結末を知っているからこそ、
どうすればヒロインを救い出せるのか、必死に考えながらプレイすることになります。
最初に残酷な結末を見せられてから、
その解決を目指すという展開に、あなたはきっと震えることでしょう。
50時間以上遊べる、圧倒的なボリューム
このゲームは、ハッピーエンドを見るだけでも、だいたい50時間かかります。
これは、文字を自分のペースで読み進めた場合のプレイ時間です。
さらに、このゲームはフルボイスで進んでいきます。
文字を読むだけでなく、
声優さんの演技を楽しむために音声を聞きながらプレイすると、
なんと100時間以上かかると言われています。
100時間以上も遊べるサウンドノベル。
こんなにサービス精神が旺盛なゲームは、他にないでしょう。
まだ解けない、ヒロインの口癖の謎
このゲームには、未だに私の中で解決していないことがあります。
それは、ヒロインの口癖です。
正統派のヒロインは、語尾に「かな」とつけます。
「圭一くんは、刑事さんと何を話してたのかな?かな?」
妹的なヒロインは、「にーにー」と主人公を呼びます。
そして、ひぐらし(蝉)の鳴き声は「カナカナカナ」、
ニイニイゼミの鳴き声は「ニーニー」です。
このことを友人に話すと、とても感心してもらえます。
しかし、他の2人のヒロインには、蝉の鳴き声にちなんだ口癖がありません。
もしかしたら、私が気づいていないだけかもしれませんが、
この謎が解けないまま、私は今日もこのゲームについて語り続けています。
なぜ遊んでほしいのか?
イラストは一見すると萌えゲームですが、
そのクオリティはとんでもない名作です。
そのギャップを吹き飛ばしてでも、プレイする価値があります。
そして、ぜひアニメオタクの仲間入りをしてください。
なにがそんなに面白いのか?
犯人のヒロインをどうやって救い出すのか、というホラーでありながら、
恋愛シミュレーションのような、そして大冒険活劇でもある、
まさに奇跡のような作品です。
今急いで買う理由ってあるの?
このゲームをプレイするのに最適な時期は、やはり真夏です。
セミの鳴き声が聞こえる中でプレイすれば、よりゲームの世界観に没入できます。
ただし、あえて真冬にプレイするのも面白いでしょう。
極寒の世界で、この恐ろしい物語を体験する。これもお勧めです。
ちなみに、PS3やPS Vita版は、
今までの『ひぐらしのなく頃に』を全て凝縮した作品で、なんと200時間かかるそうです。
480円で、ゲームをクリアするのに一か月かかるほどの濃厚な体験ができる。
それこそが、今すぐこのゲームを買う理由です。
こちらから購入できます