和風ホラーかと思ったら、まさかのSF的な話?脱出不可能な状況になったら、人間はどうなってしまうのか?

「この商品を買っている人は、こんな商品も買っています」という表示、
ついつい見てしまいますよね。
欲しくもないのに、つい買ってしまったり、後で気になって調べてしまったり。
今回のゲームも、そんな偶然から手に入れたソフトでした。
ヴィジットというゲームメーカーの存在を初めて知り、
その作品の魅力に触れた、『あかずの間』の感想をお届けします。
閉鎖空間で繰り広げられる、壮大なSF実験
『あかずの間』は、
1997年にヴィジットから発売されたプレイステーション用のサウンドノベルです。
ヴィジットは、心理ゲームに強いメーカーとして知られていますが、
実は数多くの名作サウンドノベルを世に送り出しているメーカーだと知ったの
はごく最近のことでした。
世間では「ヴィジットのサウンドノベルは絶対に遊べ!」と言われているそうです。
そんなことを聞けば、レトロゲーマーとして試さずにはいられません。
「あかずの間」と「最終電車」の2本を購入し、
タイトルのインパクトに惹かれて先にプレイしたのが本作でした。
ゲームの目的は、
宇宙移住に備えた壮大な実験です。
90日間、衣食住には困らない脱出不可能なフロアに閉じ込められた人々の
精神状態を調べるというものです。
プレイヤーは精神カウンセラーの「恵美」となり、
このSFチックな物語を体験していきます。
集められた参加者は、
大物政治家やシナリオライター、国民的アイドルなど、その世界では有名な人々ばかり。
そんな豪華なメンバーとともに90日間を生き抜く、という設定に心惹かれました。
ゲームシステムは、
『かまいたちの夜』や『弟切草』に似た、オーソドックスなサウンドノベルです。
プレイヤーの選択肢によって、
その後のストーリーが大きく変化する、まさにSF版かまいたちの夜と言えるでしょう。
ボリュームさえあれば、『かまいたちの夜』に対抗できたかも?
このゲームは、本当に『かまいたちの夜』にそっくりです。
閉鎖された空間で正体不明の犯人に怯えるという設定も、
バッドエンドを迎えても好きなシナリオから再開できるシステムも、まるで同じです。
そのため、
「かまいたちの夜に勝負を挑んでいるな」と感じながらプレイしましたが、
このゲームのクオリティは決して低くありませんでした。
次の展開が気になって、どんどん先に進みたくなる。
まさに名作サウンドノベルの王道です。
しかし、唯一の弱点がありました。
それは、圧倒的なボリューム不足です。
全てのエンディングを見るのに、わずか6時間ほどで終わってしまいました。
『かまいたちの夜』も慣れたプレイヤーならサクッとクリアできるかもしれませんが、
全てのエンディングを見るには30時間以上、
人によっては50時間以上かかります。
もしこの『あかずの間』に、
かまいたちの夜のような圧倒的なボリュームがあったとしたら、
もしかしたら対抗馬になれたのかもしれません。
シナリオの面白さは『かまいたちの夜』にも負けていない
このゲームでまず衝撃を受けたのは、ゲームの設定を自分自身で否定するところです。
90日間という長い期間を脱出不可能なフロアで過ごすという
ハラハラドキドキの設定が、なんと、最初の2日で終わってしまうのです。
しかし、このたった2日間の出来事が、非常に衝撃的な内容でした。
ストーリーは大きく分けて2つのルートが用意されています。
一つは、国民的アイドルにかけられた殺人容疑を、
逆行催眠を使って解決していく推理アドベンチャールート。
もう一つは、次々と巻き起こる猟奇的な事件から、
脱出不可能なビルから逃げ出すサバイバルアドベンチャールートです。
メインはビル脱出ルートですが、
私が特に面白かったのは、アイドルを助け出す推理ルートでした。
このルートの面白さは、
リアルとオカルトの2つの展開が用意されている点です。
ある選択肢では、
生身の人間が犯人として登場し、
別の選択肢では、オカルト的な事件へと変化していきます。
この二つの展開を濃厚に体験させてくれるシナリオのクオリティは、
さすがヴィジットというべきものでした。
なぜ遊んでほしいのか?
ゲームの難易度は非常に簡単です。「犯人が分からない…」なんてことはありませんし、簡単にやり直せるので、サクッと遊んで、サクッと終わらせられるサウンドノベルを求めている人におすすめです。
なにがそんなに面白いのか?
シナリオの素晴らしさです。「この後どうなるの?」と、次の展開を早く体験したくなる。そう思わせるだけで、このゲームは傑作です。
今急いで買う理由ってあるの?
私はこのゲームで、ヴィジットというメーカーがサウンドノベルに強いことを知りました。このメーカーには他にも面白そうな作品がたくさんあります。
『あかずの間』は当たりでした。
これからプレイする『最終電車』も楽しみで仕方ありません。
かまいたちの夜に噛みつけるほどの名作サウンドノベルが、
たったの1000円で買えるのですから、
今すぐ買う理由としては十分すぎるでしょう。
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