レトロゲームとマンガとももクロと

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オチを絶対に人に言いたくなる漫画 でも口が裂けても言えない ワンダースリー

漫画のネタバレは書きませんので 安心してお読みください

 

[オチを読んで久しぶりに痺れた漫画  主人公の名前も最高です] 

[ワンダースリー  手塚治虫  全二巻]

1968年発売  秋田書店  ジャンル SFアクション漫画 参考価格580円

 

 

最後のオチで、感動する漫画や映画、小説は数多く存在します。

 

最後のオチで、心底ビックリする漫画や映画、小説も数多く存在します。

  

そんな二つが融合した作品というのは、意外と少ないんですよね。

 

「最後のオチで感動」するというのは

今までの伏線をしっかり回収していった結果なので。

 

感動したとしても、ビックリはあまりしないです。

 

 

逆に、「最後のオチでビックリ」するというのは

反則的な力技だと思うので。

 

ビックリはしても、感動するのは難しいと思います。

 

 

仮に、最高に感動しながらも

最高にビックリしてしまう漫画がこの世にあったとしたら

伝説になっていると思いますので

きっと未だに描かれていないのかも知れませんね…。

 

 

なんて、偏った考えを破壊してくれた作品が

実は有ったんですね。

 

 

そんな今回の、この漫画のオチが分かったとしたら あなたはとんでもない天才かも!! 

ワンダースリーの感想です。

 

 

 

ワンダースリーとはどんな漫画

 

このワンダースリーですが

1968年に秋田書店から発売された

SFアクション漫画でした。

 

 

漫画のストーリーは

 

地球は危険な状態にあった。

 

至る所で水爆の実験が行われ、森林伐採は進み、

国を巻き込んだ大きな戦争から、人種問題で起こる小規模な戦争まで

争い事が絶えない世界だった。

 

そんな地球の野蛮な噂は、銀河系の様々な惑星まで届いていた。

 

その結果、惑星会議が開かれて地球を滅ぼすことを決意する事になる。

 

しかし、いきなり地球を滅ぼすのではなく

一年間じっくりと地球の調査する事によって。

 

本当に野蛮な生き物なのか

 

本当に汚い惑星なのかを、ちゃんと調べ上げたうえで、

最後の判断を決めようとする。

 

そんな重要な任務に就いたのが

ワンダースリーと呼ばれる銀河パトロール隊だった…。

という物語でした。

 

 

気が強いが心の優しい

女性隊長のボッコ                                                

 

頑固で怒りっぽいが、設計が得意で勇気のある 

プッコ 

 

ボッコの忠実な部下で、ガラクタからどんな機械でも作り出すことが出来る 

ノッコ 

 

 

こんな三人が、動物に姿を変えて

地球はどういう国なのか?を調べていきながら。

 

暴れん坊な少年と出会い

 

一緒に生活していく中で

徐々に地球の事を好きになって行く…といった作品なのでした。

 

 

 

ワンダースリーの感想でもあり レビューでもあり

 

[基本的にはアクション漫画 その中にヒューマンドラマをプラスする]

 

この作品の主人公は

心は優しいのに、自分をコントロール出来ない

暴れん坊の少年「星真一」です。

 

暴れん坊だけど、

動物には優しい真一が。

 

傷ついた三匹の動物を探し出すところから

この壮大な物語は進んで行きます。

 

 

ウサギに変身したボッコ 

 

カモに変身したプッコ 

 

馬に変身したノッコ 

 

この三匹を手厚く治療してあげるという優しさを持つ反面

 

学校では喧嘩が絶えない少年。

 

そんな少年と一緒にいるうちに

どんどん複雑な事件に巻き込まれていくという展開でした。

 

と言いますのも

真一の兄が、国の平和の為に極秘に生きるスパイなので。

 

その優秀なスパイを消すために

敵のスパイがどんどん送り込まれてくる訳ですね。

 

本来ならば、そんな事件に出合う方が稀なのに

運悪く、そんな地域に着陸してしまった為。

 

「野蛮な国とか言いながら、地球は平和な世界なんでしょ!!」

なんて、希望で来たはずなのに。

 

「噂以上に、野蛮でバイオレンスな世界でした…」

なんてギャップが、どんどん悪い方向に進んで行くのが良かったですね。

 

 

そんな苦しい世界でも

必死に生き抜いていく少年の物語こそが

ワンダースリーの見どころだったのではないでしょうか。

 

 

 

[途中までは平凡な漫画だと思って読んでいました]         

 

この作品ですが単行本二冊です。

そして、合計で550ページ以上あるとても濃厚な作品でした。

(普通なら単行本二冊で400ページくらいです)

 

更に、手塚治虫作品は

比較的文字が多めの作品ばかりなので

読むのに二時間くらい掛かってしまう作品でした。

 

仮に、マンガ喫茶に行ったとして。

 

このワンダースリーが置いてあったとしても。

 

最初の数ページを読んで

「平凡なスパイ漫画なのかな…」なんて感じで

おそらく読まないだろうなという感想でした。

  

物語の展開も

いわゆる「007」みたいなスパイアクション漫画なので

その展開に興味が無い場合は、退屈してしまうかも知れません。

 

 

しかし、どうでしょうか。

 

物語後半からの、グイグイ押し寄せてくる凄さは

他の作品では味わうことが出来ない、素晴らしさがありました。

 

前半のノロノロしたスピードとは違う

アクセル全開で進んで行く、後半のどとうの展開。

 

まさに、天才的といった感想でした。

 

 

それでも、この位の面白さならば

手塚治虫作品では、わりと当たり前なので。

 

「このまま普通に終わる、平凡なアクション漫画」だと正直思っていましたね…。

 

 

なんて、思っていた自分を

「叱りつけたくなるくらい」の最後が待っていました。

 

おそらくですが

この漫画のオチでビックリしなかった人が居たとしたら。

 

「その発想力を利用して、小説家や漫画家になればいい」と断言できるくらいの

最高のオチだったと思います。

 

 

感動の結末というのは数多く存在すると思います。

 

ビックリする結末というのは数多く存在すると思います。

 

しかし、心からビックリさせて

なおかつ感動させる結末というのは

ほとんどあり得なかったと思います。

 

 

そして、今回のワンダースリーに関していうと

そんな二つの要素が完璧に表現されていました。

 

熱々と冷え冷えを両方味わえる、魔性の食べ物。

「アイスクリームのてんぷら」の様な感覚でしょうかね。

 

「どうして、今の時代に語り継がれなかったのか?」

こんな圧倒的なインパクトがありました。

 

 

確かに、今まで語り継がれなかったからこそ

ワンダースリーという漫画を新鮮な気持ちで楽しめたのですが。

 

おそらくですが、最後のオチが普通に終っていたとしたら。

 

手塚治虫作品の中でも

数ある作品の中の1つとして扱われていたと思います。

 

しかし、最後の20ページを読んだ後で評価をしたら

文句なしで、手塚治虫作品のベスト3に入る漫画なのではないでしょうか。

 

「終わり良ければすべてよし」こんな言葉は

この漫画にこそ相応しい、名作漫画なのでした。

 

 

 

[星真一という名前の意味に  最後の最後で気づかされる]

 

このワンダー3のブログを書いて

「漫画を読んだら面白かったよ」という感想をいただきまして

本気で嬉しかったです。

 

そのあと一週間程は

「ワンダー3の感想を書いて、本当に良かったな」なんて

至福の時を過ごしていました。 

 

 

そんな時に、ある感想が閃いたんです。

 

「星真一って、作家の星新一さんから取ったんだよね」と。

 

手塚治虫先生と、星新一さんは親交があったそうで。

 

星新一さんのエッセイ集「きまぐれフレンドシップ」でも

手塚治虫先生のエピソードが収録されていました。

 

ですので

「友達だったから、星真一という名前にしたんだろうな」と

今の今まで思っていた訳です。

 

しかし、ここである事を思い出しました。

 

「手塚治虫先生は、ライバル心が凄かったんだよね」と。

 

手塚治虫先生の嫉妬のエピソードは有名で

どんなに格の違う漫画家に対しても、闘争心を燃やしていたそうなんですね。

 

その中でも有名なのが

「水木しげる・ゲゲゲの鬼太郎」に対抗しての

「手塚治虫・どろろ」だそうです。

 

「自分だって妖怪物の名作漫画を描けるんだぞ!!」

こんな異常なまでの闘争心が生み出した、名作漫画だそうです。

 

 

そんな、漫画の神様の性格を思い出した時に

ワンダースリーの主人公、「星真一」という名前の秘密に気づいた訳です。

 

星新一さんという作家を一言で表すならば

「ショートショートの天才」です。

 

たった20ページ程度の、短い物語でありながら。

 

最後に待ち受ける衝撃的な結末。

 

何気ない一文が、重要なキーワードになっている凄さ。

 

オチを読んだ後に、もう一度読み返したくなる素晴らしさ。

 

こんな、読んだら最後

全ての作品を読みたくなってしまうほどの中毒性がありました。

 

 

こんな、世間の評価を聞いた時に

手塚治虫先生の中で何かが起こりまして。

 

「自分だって、最後のオチで感動させることぐらい出来るんだぞ!!」

なんて、闘争心がメラメラ燃えてしまったのではないでしょうか。

 

手塚治虫作品というのは

漫画の終わり方が酷い作品が多いと思います。

 

最終回なのに、最終回とは思えない、ふんわりとした終わり方が殆どで。

「あれ、これで終わりなの?」

なんて終わり方が多かったと思います。

 

しかし、今作のワンダースリーでは

「これ以上の終わり方は無いのでは」というほどの完璧さでしたので。

そのギャップも含めて、全てを楽しんで欲しいですね。

 

 

そういう意味では、

星新一さんの大ファンにこそ読んで欲しい漫画でもありましたね。

 

2人の天才が交流した結果に生まれた

共同作と言っても過言では無い、偉大な作品なのでした。

 

 

 

ワンダースリーのまとめ

 

なぜ読んで欲しいのか?

 

正直言いまして、この漫画のオチを書きたいです。

 

オチを書いて、その考察を書きたい位の素晴らしさです。

 

だったら、この感動を奪うのは

絶対に駄目だと思った訳です。

 

ですので、自分自身の目で

最後のオチをお楽しみください

 

 

なにがそんなに面白いのか?

 

オチが凄い、オチが凄いって言っているけど、そんなにあおって大丈夫?

と思いますよね。

 

大丈夫です。

 

友達や家族に

「この漫画はオチが凄いから」といって紹介したのに。

「本当に凄かった!!」と喜んで貰えましたので。

 

そんな煽り文句すらも、かき消してしまいます。

 

オチを知ってから、漫画を読む返すことで

更に、最高の体験が待っていますので。

 

推理しながらお楽しみください。

 

 

今急いで買う理由ってあるの?

 

この漫画を読むときは

周りに誰もいない静かな環境で、集中してお読みください。

 

そして、途中で飽きたからといって

最終回だけ読むのは絶対におやめください。

 

なぜなら、長い時間をかけて読んだご褒美として

最後のオチが待っている訳ですから。

 

もしも、漫画を読んでいる最中でオチが分かったとしたら

あなたはきっと、手塚治虫と同じ天才なのかも知れません。

 

 

ちなみに、この作品はアニメにもなっていたそうですが

最近になるまで気づきませんでした。

 

と言うのも、オチが凄いアニメというジャンルでは

まったく話題になりませんでしたので。

 

基本的には話が違ったのかも知れませんね。

 

 

どうして、こんな名作漫画が語り継がれなかったのか。

 

でも語り継がないでくれてありがとう。

 

 

最後に待ち受ける衝撃の展開をあなたに贈る

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