メガテンのライバル足りえたか?『魔天伝説 戦慄のオーパーツ』の挑戦
ゲーム業界には、時に熱いライバル関係が生まれます。
任天堂の『スーパーマリオ』とセガの『ソニック』、
エニックスの『ドラゴンクエスト』とスクウェアの『ファイナルファンタジー』。
しかし、アトラスの『女神転生』には、
明確なライバルが存在しませんでした。
もし、もしもあのゲームがもう少し早く発売されていたら、
その歴史は変わっていたかもしれません。
今回ご紹介する『魔天伝説 戦慄のオーパーツ』は、
1995年にタカラから発売されたスーパーファミコン用RPGです。
スーパーファミコン後期に発売されたこともあり、
その存在を知る人は少ないかもしれませんが、
本作は『女神転生』のライバルとして勝負を挑んだ、意欲作なのです。
レベルの概念を捨てた、斬新なシステム
本作の物語は、
宇宙に浮上してしまった日本列島からの帰還を目指すという、
SF的な設定が特徴です。
プレイヤーは、能力の異なる主人公の中から一人を選び、
ヒロインと共にモンスターを仲間にしながら冒険を進めます。
このゲームの最も斬新な点は、
RPGの根幹である「レベル」や「お金」の概念をなくしたことです。
では、どうやってキャラクターを成長させるのか?
答えは、敵を倒して手に入れる「エネルギー」にあります。
このエネルギーは、経験値でもあり、お金でもあります。
- 自分自身の強化: 攻撃力や防御力を上げたり、新たな魔法を覚えたりするのにエネルギーを使います。
- アイテムの作成: 宿屋やお店がないため、回復アイテムや攻撃アイテムはすべてエネルギーを使って作成します。
- 武器のカスタマイズ: 主人公が持つ特殊な武器を、エネルギーを使って自由に改造できます。攻撃力を上げるか、攻撃回数を増やすか、特殊能力を付加するか、プレイヤーの戦略次第で様々なカスタマイズが可能です。
このシステムは、
プレイヤーに「エネルギーをどう使うか」という戦略的な思考を促します。
自分を強化するか、武器を改造するか、アイテムを備蓄するか、
状況に応じて最適な選択を迫られるのです。
宿屋なき世界の厳しい現実
このゲームには、斬新なシステムの裏に、厳しい現実が待ち受けています。
それは、宿屋がないということです。
ライフやMPの回復は、
すべてエネルギーを消費して作ったアイテムに頼るしかありません。
特に、魔法しか使えないヒロインは燃費が悪く、
頻繁に回復アイテムを与える必要があります。
敵が比較的強い本作では、
戦闘で得られるエネルギーが、回復アイテムの消費分を上回らないことが多々あります。
結果として、エネルギーがどんどん減っていき、負のスパイラルに陥ることも。
- ヒロインは魔法を使わずに防御するだけの存在に。
- 仲間にしたモンスターは、復活させた瞬間にまた倒れてしまう。
こうした負の連鎖を断ち切るには、
粘り強くエネルギーを稼ぎ、少しずつキャラクターを強化していく必要があります。
この歯ごたえのあるバランスこそが、このゲームの大きな魅力なのです。
ヒロインが強くなれば、ゲームの面白さが一気に覚醒するので、
そこまで頑張ってほしいところです。
メガテンへの挑戦状
『魔天伝説』は、随所に『女神転生』を強く意識した作りが見られます。
- マップ移動: 『女神転生』と同じようなマークでの移動。
- ダンジョン: 3Dダンジョンというスタイル。
- モンスターを仲間にするシステム: これも『女神転生』からの影響が感じられます。
一見すると「パクリ」と揶揄されるかもしれませんが、
そのシステムは『女神転生』とは一味違う、独自の面白さを生み出しています。
タカラが『女神転生』の牙城を崩そうと放った刺客だったのです。
スーパーファミコン後期に発売されたため、
惜しくも『女神転生』のライバルにはなれませんでしたが、
もしもう少し早く発売されていたら、日本のRPG界の歴史は変わっていたかもしれません。
斬新なゲームシステムと奥深い戦略性を持つこの隠れた名作RPGを、
ぜひ手に取って、その伝説を体験してみてください。
きっとあなたのゲーム知識を大幅にアップさせてくれるでしょう。
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