エネミーゼロ:透明な恐怖と数学的謎解き、満点か評価不能か?伝説のSFアドベンチャー

1996年にワープから発売されたセガサターン専用のアドベンチャーゲーム
「エネミーゼロ」。
作者が「満点か評価不能」と語った通り、
非常に難解ながらも、60万本という大ヒットを記録した作品です。
宇宙船内に潜む透明な怪物「エネミー」からの脱出劇
ゲームのストーリーは、
宇宙船内に突如現れた透明な怪物「エネミー」からいかに逃げ延びるか、
そしてエネミーが現れた謎を解き明かす、というもの。
まるで映画「エイリアン」シリーズのような緊迫した展開が魅力です。
システムは「Dの食卓」と同様の探索型アドベンチャー。
プレイヤーはキャラクターを操作し、宇宙船内の謎や仕掛けを解いていきます。
フルポリゴンで表現されたグラフィックは、
当時の最先端を走り、
「未来のゲームはこんなにもすごいのか」と多くのプレイヤーを驚かせました。
「クソゲー」の烙印を押された理由と、時代を超えた再評価
エネミーゼロは、その難解さから
「完全なるクソゲー」という評価を受けることが多々ありました。
特に、数学的な知識を要する謎解きが多く、
「学校でまだ習ってない!」と悲鳴を上げたプレイヤーも少なくないでしょう。
筆者もかつてはその一人で、謎が解けずに早々にゲームを封印した経験があります。
しかし、時を経て再びプレイしてみると、
当時全く解けなかった謎が理解できるようになり、
ストーリーの奥深さも手伝って、どんどん先へ進みたくなります。
まるで最新ゲームをプレイしているかのような新鮮な面白さがあるのです。
本作が発売された1996年頃は、
まだ探索型アドベンチャーゲームというジャンルが一般に根付いていない時代でした。
もし現代にリメイクされたとしたら、
きっと「満点」の評価が多数を占めることでしょう。
筆者は攻略情報なしでエンディングを見るまでに30時間ほどかかりましたが、
決して時間が惜しいとは思えない名作です。
全ての要素が「クリアさせる気ゼロ」!? 音が命のサバイバル
このゲームの最大の売りは、
「視覚と聴覚をフルに使う」という点です。
視覚を使って隅々まで宇宙船内を探し、キーアイテムを見つけるのはもちろんのこと、
最も重要なのは「聴覚」です。
エネミーゼロでは、透明な怪物が大量に襲いかかってきます。
彼らを探す唯一の手がかりが、
木琴のような「ピン、ピン、ピン…」という音。
エネミーとの距離が遠ければゆっくりで低い音、
近づくにつれてテンポが速くなり、音も高くなっていきます。
そして、エネミーに触れたら即ゲームオーバー。
そのため、プレイヤーは常にドキドキしながら、
ゆっくりと歩き、音に細心の注意を払って進まなければなりません。
ゲーム序盤はそれで対処できますが、
後半になると複数のエネミーが同時に襲いかかってくるため、一筋縄ではいきません。
さらに厄介なのは、音の鳴らない「エネミーの赤ちゃん」の存在。
透明なエネミー(音で場所がわかる)と、
見えるが音のしないエネミーの赤ちゃんがタッグを組んで攻めてくるのです。
音を頼りに進んでいたら、
いきなり音のしないエネミーに襲われる、なんてことも珍しくありません。
他にも、エネミーを攻撃できる銃には弾数制限があり、
その射程は驚くほど短い。
セーブやロードにも制限があるなど、
まさに「ゲームをクリアさせる気が無いだろう!」と思わせるような、
数々の理不尽な要素が詰め込まれています。
これが、本作が「クソゲー」と揶揄された所以でもあります。
スパルタ難易度を乗り越えろ! ゲーマーの心に響く「音の攻略法」
エネミーゼロは、決して手軽に遊べる難易度ではありません。
しかし、イージー、ノーマル、ハードの各モードが用意されているため、
まずはイージーモードでストーリーを楽しみ、
その奥深さに触れてみるのも良いでしょう。
そして、腕に自信のあるゲーマーは、
ハードモードで「激ムズ」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
筆者は攻略に30時間かかりましたが、
上手な人なら5時間程度でクリアできるという情報もあります。
エネミーに触れたら即ゲームオーバーというスパルタなシステムも含めて、
このゲームを愛せるかどうかが問われるでしょう。
エネミーゼロをプレイしてから、
ゲーム内の音に敏感になった、というプレイヤーは少なくありません。
効果音の大きさや音楽のテンポが、
次の展開を分かりやすく示していることに気づかされるのです。
ゲーム制作者の飯野賢治氏は、
グラフィックとゲーム音楽を重視した人物だったと言われており、
効果音すらも攻略のヒントとして練り込まれていたのかもしれません。
このゲームは、私たちに「ゲームの大切なこと」を教えてくれる、
そんな感動を与えてくれます。
スピーカーの音を大きくしてプレイすれば、攻略が格段に楽になるかもしれません。
セガサターン屈指の異色作であり、
ゲームの音の重要性を教えてくれる名作アドベンチャーゲーム「エネミーゼロ」。
全てのゲーマーに、一度は体験してほしい伝説の一本です。
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