恐怖と絶望、そして達成感。メガドライブ屈指の激ムズアクション『シャドーオブザビースト』の魅力に迫る。
1992年にビクターからメガドライブ向けに発売された
『シャドーオブザビースト』
可愛らしいキャラクターや、
親切なシステムに慣れた現代のゲーマーたちにとって、
このゲームはまるで「異世界」。
触れた瞬間に即死するトラップ、
どこへ進めばいいか分からない広大なフィールド、
そして何よりも、たった一度のミスで全てを失う恐怖。
しかし、その圧倒的な難易度を乗り越えた先に待っているのは、
他のゲームでは味わえない、至高の達成感と、自分自身の成長を実感する喜びです。
さあ、心折れるほどの絶望と、
それを乗り越える感動が詰まったこの傑作の、真の魅力に迫りましょう。
恐怖の世界を彷徨う、孤独な冒険
『シャドーオブザビースト』の物語は、
呪いによって野獣の姿に変えられてしまった主人公が、
人間に戻るために冒険するという、まるで「妖怪人間ベム」のような切ない始まりです。
このゲームのシステムは、
オーソドックスな横スクロールアクションに、
アドベンチャーの要素が加わっています。
広大なステージは、まるで巨大な迷路。
あなたは、どこに隠されているか分からない鍵や武器を探し、
手に入れたアイテムを駆使して、謎を解きながら進んでいく必要があります。
「右に進めばいいのか、左に戻るべきか?」
「あの足場に飛び乗れるのか、それとも別のルートがあるのか?」
このゲームには、
あなたを導いてくれるものはほとんどありません。
ただひたすらに、自分の力とひらめきだけを頼りに、
暗くおぞましい世界を彷徨うことになります。
そして、あなたの行く手を阻むのは、
奇妙でグロテスクな魔物たち。
しかし、本当に恐ろしいのは、彼らの攻撃ではありません。
死の連続が、あなたを「本物」のゲーマーにする
このゲームの最大の魅力、
それは、他のゲームとは比較にならないほどの「死」の多さです。
- 輝く宝箱に飛びついた瞬間、電気ショックで感電死。
- 見たことのない巨大なモンスターに挑み、触れた瞬間に即死。
- なんでもないように見える足場に降り立った瞬間、針に刺さって即死。
このゲームは、プレイヤーの好奇心をことごとく打ち砕き、
少しの油断も許しません。
しかし、不思議なことに、
その理不尽なまでの難易度が、逆にプレイヤーの心を燃え上がらせます。
「なぜこんなところで死んだんだ?もう一度だ!」
そう思わせるほどの、中毒性。
敵の猛攻でゲームオーバーになることは意外と少なく、
むしろ「即死トラップ」が最大の脅威です。
しかし、そのおかげで、あなたは回復アイテムを気にすることなく、
何度もチャレンジすることができます。
そして、このゲームの真の恐ろしさは、「コンティニューがないこと」です。
せっかく20分もかけて進んだステージも、
たった一度のミスで全てがリセットされ、また最初からやり直し。
しかし、この厳しさがあるからこそ、
あなたは「一手」を真剣に考えるようになります。
「本当にこのルートで合っているのか?」
「このジャンプは、本当に成功するのか?」
プレイヤーは常に、命がけの選択を迫られます。
この極限の緊張感が、
このゲームを単なるアクションゲームではない、「アドベンチャー」へと昇華させています。
困難を乗り越える喜びが、成長を実感させる
『シャドーオブザビースト』の面白さは、どこかRPGに似ています。
それは、まるで『ウィザードリィ』のように、
少しずつ、しかし確実に、進める距離を伸ばしていく喜びです。
最初は、ステージ1を突破するのに30分かかっていたのが、
何度もプレイするうちに、10分でクリアできるようになる。
このゲームがプレイヤーに与えてくれるのは、
キャラクターのレベルアップではありません。
プレイヤー自身の「レベルアップ」です。
そして、その「レベルアップ」を実感できた時、
あなたは「このゲームは、意外とクリアできるかもしれない」という希望を抱きます。
その希望こそが、あなたを何度も、
何十回も、何百回も冒険へと誘う原動力となります。
このゲームの世界観は、まさに「悪夢」です。
最初はそのグロテスクな見た目に拒絶反応を示すかもしれませんが、
不思議と慣れていき、最後にはその世界観そのものに魅了されてしまうでしょう。
1900円という価格で、これほどまでに奥深く、
やりごたえのあるアクションゲームは他にありません。
さあ、あなたも「野獣」となり、
己の力を証明するために、この過酷な冒険に挑んでみませんか?
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