レトロゲームとマンガとももクロと

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異なる二つのジャンルが奇跡の融合を果たした神ゲー『アクトレイザー』が描く、神の創造と苦悩の物語

異なる二つのジャンルが奇跡の融合を果たした神ゲー『アクトレイザー』が描く、神の創造と苦悩の物語

数年前、海外ドラマに猛烈にハマっていた時期がありました。

 

その時、いつも私を悩ませていたのは、

レンタルビデオ店の棚に並ぶ、未完結のドラマシリーズでした。

 

「リリースされた最新話から少しずつ見ていくのがいいのか? それとも、全巻揃うまで一年間待って、一気見したほうがいいのか?」

 

最新話から見れば、すぐに次の展開を味わえて嬉しい。

 

しかし、次のエピソードが公開されるまでに数ヶ月、

あるいは一年待たなければならない。

 

一方、全巻揃うまで待てば、

最後の謎解きまでノンストップで楽しめる。

 

しかし、一年間も新しいエピソードを見られない苦痛に耐えなければならない。

 

このジレンマは、私を常に悶々とさせていました。

 

結局、我慢できずにレンタルされた順に見ていき、

毎回「早く続きが見たいのに!」と叫びながら、

次のエピソードを待ちわびる日々を過ごしました。

 

これはまるで、これから語るゲーム『アクトレイザー』のプレイスタイルそのものでした。

 

 

アクトレイザーとはどんなレトロゲーム?

 

この『アクトレイザー』は、

1990年にエニックスから発売された、スーパーファミコン最初期のアクションゲームです。

 

発売からわずか1ヶ月後に登場したこのタイトルは、

スーパーファミコンの持つ圧倒的な表現力を世に知らしめ、

その名を世界中に轟かせました。

 

開発を手掛けたのは、

後に『ソウルブレイダー』や『ガイア幻想記』、『天地創造』といった

数々の名作を生み出すことになるクインテットというゲーム開発会社です。

 

彼らが創り出すゲームは、どれも斬新な発想と奥深いゲーム性で、

当時のゲーマーを熱狂させました。

 

本作の主人公は「神」。

 

魔王サタンによって荒廃した世界を、

自らの手で取り戻すべく、魔物がばっこするダンジョンを攻略し、

人々の文明を発展させていく…というのが、ゲームの壮大な目的です。

 

ゲームシステムは、

この目的を達成するために、当時としては前代未聞の融合を果たしました。

  • アクションパート:主人公が剣を振るう、硬派な横スクロールアクション
  • シミュレーションパート:人々が住む街を創造し、発展させていくシミュレーション

この2つのパートが、ゲームを進行させる上で密接に絡み合っています。

  1. アクションパートで、魔物の巣窟となったエリアを解放する。
  2. 解放されたエリアに、人々を導き、街を築かせる。
  3. シミュレーションパートで、神の力を使って街を発展させ、人口を増やしていく。
  4. 人口が増え、信仰心が高まれば、神である主人公のパラメータも上昇する。
  5. パワーアップした状態で、次のアクションパートに挑む。

この流れが、ただのゲームを「神ゲー」へと昇華させました。

 

 

神の恩寵、そしてクレイジーな破壊と創造のサイクル

 

シミュレーションパートの魅力は、単に街を造るだけに留まりません。

人々は神の恩寵に感謝し、さまざまな「貢物」を差し出してくれます。

  • 橋を架けるための技術
  • 人々の争いを鎮める音楽
  • 神自身の能力を高めるアイテム

これらの貢物は、あなたの冒険を助け、さらなる街の発展を促します。

 

しかし、このパートには、少しばかり「クレイジー」な要素が隠されていました。

 

シミュレーションパートは、人口が増えなければ何も始まりません。

 

しかし、人々は勝手に家を建てていくため、

すぐに土地が埋まってしまい、人口増加が頭打ちになってしまうのです。

 

この問題を解決するために、

プレイヤーは「家を燃やす」という、神とは思えないような行動に出ることになります。

 

「え? せっかく建てた家を、お礼に燃やすだって?」

 

その通りです。

 

最初は原始的な家しか建てられない人々ですが、

古い家を燃やしてあえて更地にすることで、より人口を多く収容できる、

進化した家を建ててもらうことができるのです。

 

一見すると残酷な行為ですが、

この「破壊と創造」のサイクルこそが、このゲームの奥深い戦略性でした。

 

目先の繁栄ではなく、未来の発展のためにあえて犠牲を払う。

このジレンマが、プレイヤーを虜にしたのです。

 

 

最高のエンタメ、しかし最大の試練

 

『アクトレイザー』は、

プレイヤーを飽きさせない天才的なゲーム構成を持っています。

  • シミュレーションパートでゆったりと街を造り、人々の営みを眺める。
  • 街が発展してきたら、気分転換にアクションパートで敵をなぎ倒す。

 

しかし、ゲームが進むにつれて、この完璧なバランスは崩れていきます。

 

「早く次の街を造りたいのに…」

 

「次のイベントやアイテムが気になる…」

 

「早く家を燃やしてみたい!」

 

プレイヤーの期待が最高潮に達した時、立ちはだかるのが、

後半のアクションパートの異常な難易度です。

 

前半は比較的サクサク進めたアクションパートが、

後半になるとまるで『魔界村』や『ロックマン』のような、

当時の超硬派なアクションゲームへと変貌します。

 

猛烈な勢いで突っ込んでくる敵、画面を埋め尽くす弾幕、

そして圧倒的な強さを誇るボス。

 

どれだけシミュレーションパートで人口を増やし、

神のパラメータを上げても、アクションパートをクリアするテクニックがなければ、

次のエリアに進むことはできません。

 

この「次の展開を味わいたいのに、味わえない」という苦悩。

 

これこそが、『アクトレイザー』が単なるゲームではなく、

プレイヤーに強烈な印象を残す「孤高のゲーム」と呼ばれる所以なのかもしれません。

 

 

今、この伝説の神ゲーをプレイすべき理由

 

なぜ、今この『アクトレイザー』をプレイすべきなのでしょうか?

  • 一つのソフトで、全く異なる二つのジャンルを同時に楽しめるという、今見ても斬新なコンセプト。
  • 荒廃した世界を、自らの手で繁栄させていくという、神のような達成感。
  • 古代祐三氏による、ゲーム史に残るほど素晴らしい音楽。特に、シミュレーションパートで街が発展するにつれて、音楽に楽器が増えていく演出は必聴です。

 

そして、このゲームには一つの悲しい事実があります。

 

続編である『アクトレイザー2』は、

シミュレーションパートが完全に削除され、

ひたすらアクションを楽しむゲームになってしまいました。

 

つまり、この「アクションとシミュレーションの奇跡の融合」という完成された体験は、

初代『アクトレイザー』にしかないのです。

 

この偉大な作品は、バーチャルコンソールでも配信されており、

さらに2021年にはリメイク版『アクトレイザー・ルネサンス』も発売されました。

 

ゲームの面白さも、音楽も、発想力も、すべてが最高レベル。

 

さあ、あなたも「次の展開が気になる」という、最高の苦悩を味わいに、

神の冒険へと旅立ってみませんか?

 

 

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