レトロゲームとマンガとももクロと

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一本の木が無くなる とても怖い事が起こる ヒッチコック的な話

人生何が起きるかわからない

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私が通っていた小学校の近くに、

とてつもなく

[大きな木]が生えている場所がありました。

(木の太さが10メートル位でした)

 

樹齢でいうと

500~600年位だったでしょうか。

その木は、

みんなの待ち合わせの場所にもよく使われていて、

夏の時なんかは、

その大きな木の

[大きな日陰]にみんな集まっていた人気スポットでした···。

 

そんな大きな木ですから、

落ち葉の処理も大変で、

わざわざトラックを持ってきて、

トラックを落ち葉一杯にして運んでいるのが秋の風物詩でした。

(周りに民家もたくさんあったので、みんなで手伝って処理してました。)

 

そんな

大きな木が身近にある楽しい小学生時代でした。

 

それから数年後の事でした、

学校内の噂で、

「知ってる?あの大きな木を、伐るらしいよ」という情報が流れて来ました。

違う学校の友達でも、

存在を知ってる位の大きな木ですから、

「えぇ!なんでよ!!」なんて、

みんなもう大騒ぎでした。

 

なんでも、

道路の建設予定地に選ばれたそうなんです。

土地の所有者の方も、

だんだん高齢に成ってきてふと思ったそうです。

「落ち葉の処理も年々大変だし、それならこの機会にいっそのこと···」

と自然と成ったそうです。

(この話は所有者のおじいさん本人から教えて貰いましたね。いつも通学の時に挨拶するので、その時に聞きました。)

 

それから

数ヶ月後にはもう

あの大きな木が伐られ、

その場所には

立派な道路がはしっていました···。

 

今まで自然が一杯だった場所に

急に道路ですからね、

今でもあの時の、

なんともいえない感じをおもいだします。

 

それから

1週間程経って

ある音を頻繁に聞くように成りました。

 

決まって

夕方頃に必ず聞こえるんです。

「パーン!!」とか

「ピューン!!」とか結構な大きな音で、

夕方頃に成ると毎回必ず

「パーン!!」とか

「ピューン!!」ですからね、

「あの音はいったい、なんだろう?」なんてお母さんとも話をしていました。

 

あまりにも

その音の正体が気になったので、

音の鳴ってる方向に、

思いきって行ってみる事にしました。

 

音が聞こえてくる方向は、

あの大きな木があった土地の方向からでした。

急いで近くに行ってみると、

異様な光景が目に飛び込んで来ました···。

 

 

近くの

[電柱]や

[民家]の木に、

大量の鳥がびっしり止まっていたんです。

 

もうビックリするぐらい、

まるで

[ヒッチコック]の映画のようでした。

もう

鳥の大音量の

鳴き声でメチャクチャ大騒ぎです。

そして

民家に停めてある車の上には、

大量の鳥の糞が散乱していました。

その光景は、

完全なる地獄の様な世界でした。

 

すると、

急におばさんが家の中から出てきて、

おもむろに、

空に向かってロケット花火を打ち上げました。

すると、

一斉に鳥が居なくなったのです。

あんなに

大量に止まって居たのに

全て飛び去って行きました···。

 

そしてまた

ある程度時間が経つと、

向こうの違う家の方向で、

ロケット花火の激しい音が

違う家からまた鳴っての繰り返しなのでした。

 

なんでも、

おばさんが言うには

「今まで大きな木があったでしょ···」

「そこに全ての鳥が止まってくれていたのよ」と教えてくれました。

つまり

木が伐られて無くなった為に、

行き場を失った大量の鳥たちが、

そこらじゅうの民家の木に止まってしまうという事でした。

 

そんな

鳥たちを追い払う為に、

毎回ロケット花火を空に打ち上げていたそうです。

あの不思議な音の正体は、

ロケット花火を打ち上げる音なのでした。

(音にビックリして、鳥を追い払う効果は、ちゃんとあるそうです。)

 

しかし

次の年に成ると、

鳥たちも他の違う場所へ飛んで行ったそうで、

大変だったのは、

その年だけだったそうですが。

 

鳥たちにとっては、

500~600年あった自分たちの家が、

急に無くなった訳ですからね悲しい話ですよね···。

 

しかし、

鳥たちの凄い学習能力で、

次のマイホームを目指して

飛び立って行けた訳ですから、

野生の力は凄いなぁとその時に思ったのでした···。

 

一本の大きな木が無くなったら起こる、

とても不思議なヒッチコック的な話でした(^O^)