レトロゲームとマンガとももクロと

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長い腕Ⅲ・川崎草志 嫌な事件と熱い物語が交互に進んでいく 名作ミステリー

一生終わらなければいいなと思った 凄い小説

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[前作から3年後の世界で 今シリーズ最後の事件が始まっていく]

[弔い花・長い腕Ⅲ  川崎草志  角川書店]

 

2014年発売  

ジャンル  ミステリー

参考価格   160円

 

 

最近は色々な本の感想を書いています

 

 

retogenofu.hatenablog.com

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retogenofu.hatenablog.com

 

 

過去の記事も読んでもらえると嬉しいです

 

 

今回感想を書きたいなと思ったのが

「弔い花・長い腕Ⅲ」というミステリー小説です

 

 

どんな内容になっていて

 

どんな部分が面白かったのか?を書いていきますので

 

購入する時の参考にしてみてください

 

 

そんな今回の

現代と過去が交互に進んでいく 名作ミステリー

長い腕Ⅲの感想です( `―´)ノ

 

 

 

長い腕Ⅲとはどんな小説?

 

この長い腕Ⅲですが

2014年に角川書店から発売された

川崎草志さんのミステリー小説で

 

2001年に

シリーズの始まりである

長い腕が発売され

 

その続編の

長い腕Ⅱが

11年の時を経て2012年に発売され

 

そして、

シリーズの最後である

長い腕Ⅲが2014年発売されました

 

 

そんな長い腕Ⅲのあらすじは

 

ゲームのイラストを描きながら生活している主人公

 

過去には色々な事件が巻き起こったが

 

ここ数年は平穏な生活をしている

 

そんな時

自分の住む地域で、

女子高生が殺害されるという事件が発生し

 

またもや、

主人公の犯人を捜す生活が始まっていく…。

 

こんな始まりになっていました。

 

 

ここから前作同様に

 

現代では

殺人事件の犯人追う

主人公の物語が進み

 

過去の物語では

明治から昭和にかけて

「人探し」や「愚連隊退治」などの

大工さんの物語が進み

 

片方が最高に盛り上がっては

 

もう片方にすっと移動し

 

その片方が最高に熱くなってきたら

 

もう片方に移動し

 

というのを繰り返して進んでいく

 

 

嫌な物語と

 

熱い物語と

 

とても優しい文章を楽しむことができた

 

一生終わらなければいいなと思った

名作ミステリーなのでした

 

 

ネタバレしたくない人はこちらからお先にどうぞ

 

 

160円

 

 

 

長い腕Ⅲの感想でもあり レビューでもあり

 

この本の良かったところ

 

この本の良かったところで言いますと、

やっぱり物語が交互に進んでいく面白さですよね。

 

前作も、

現代と江戸時代が交互に進んでいきまして、

かなり面白かったのですが。

 

今作はそれ以上に面白かったと思います。

 

と言いますのも、

今作の場合は、前作で少し登場した

「愚連隊退治のエピソード」が本格的に描かれていましたので。

 

読んでいる時のワクワク感は、

前作以上になっていたと思います。

 

今作で言いますと、

現代の物語は、かなり嫌な話です。

 

今まで平穏だった世界が、

たった一つのきっかけで地獄の世界に変わっていく。

 

実際に起こりうるかもしれない、

かなり嫌な物語です。

(リアルなデビルマンでしょうか)

 

そんな物語が進みつつ、

もう片方では、愚連隊退治というワクワクする物語が進んでいく。

 

この

嫌な物語と

ワクワクの物語というギャップこそが、

今作の最高に面白い所だったかもしれません。

 

これが、

片方の物語が微妙ならば、

「集中して読みたいよ」と

ストレスが貯まるのかもしれませんが。

 

両方の物語が本当に面白いですからね。

 

どちらの物語も完璧だったからこそ、

この手法を使うことができたのではないでしょうか。

 

 

不気味なミステリー小説としても楽しめて

 

心躍る冒険小説としても楽しめる

 

そんな一挙両得な面白さなのでした

 

 

 

この本を読んで思う事

 

ここからは内容に深く関わっていきますので、

本を読み終わってから読むことをお勧めします。

 

 

 

前作の感想でも書きましたが、

今作を読むまでは

「とある不安」が常に付きまとっていました。

 

 

とある不安とは?

 

 

あの人が犯人になるのでは?です。

 

 

長い腕シリーズを読んでいる人の大半が

思った事だと思うのですが。

 

あの人が犯人になるのでは?と

思わせて進んでいくのが、

今シリーズの特徴だったと思います。

 

結果的には

その人は犯人ではないので

 

ああよかった( ;∀;)

 

と、安心して終わることができるのですが。

 

今作の場合は

シリーズの最終作ですので、

何が起こっても不思議ではないわけです。

 

 

シリーズのファンとしては、

その人が犯人で終わることは絶対に嫌です。

 

ただ、

その人が犯人で終わった方が、

今までの伏線を回収するという意味では

とても綺麗に終わると思います。

 

犯人だったら嫌だけど

 

おそらく犯人で終わるのだろうな

 

そんな事を思いながら、

今作を読んでいきました。

 

 

で、どうなったか?といえば

 

 

「なるほどね」という終わり方だったでしょうか。

 

「あの人が犯人だったら嫌だよね」という

読者の思いを取り入れつつ、

ちゃんと事件も解決させる。

 

とても上手い終わり方だったと思います。

 

難点を言えば、

クライマックスのシーンを

もっと読みたかったぐらいでしょうか。

 

今シリーズの特徴として、

クライマックスのシーンがあっさりしているというのが

あると思うのですが。

 

今作の場合は、

本当のクライマックスな訳ですからね。

 

もうすこし長めに楽しみたかったなと思うのでした。

 

 

それ以外の感想で言いますと

 

川崎草志さんの文章ってやっぱり優しいよね、でしょうか。

 

メインの物語としては、

本当に嫌な物語なのですが。

 

それ以外の、

日常の部分と言いますか、

幸せの場面の素晴らしさたるや

完璧だったと思います。

 

ラストのレストランのシーンなんて

本当に痺れますからね。

 

この優しい世界だけで、

一冊書いてほしいですからね。

 

あの優しい文章を読めるというだけでも、

川崎草志さんの小説を読む価値があったのかなと思います。

 

 

 

長い腕Ⅲのまとめ

 

最後に、

私の今シリーズ印象で言いますと

 

長い腕は

どんな結末になるのか一切予想できない

おどろおどろしいミステリー小説で

 

長い腕Ⅱは

干潟のエピソードが大好きで

 

長い腕Ⅲは

今までの伏線を上手く回収してくれる

集大成として完璧な作品だった

 

こんな感じでしょうかね。

 

このシリーズを読んでいる間は、

ずっと幸せでしたからね。

 

こんな作品に出会えたことを

最高に感謝して終わります。

 

 

 

こちらから購入できます

 

 

160円

 

 

 

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